脳外科医竹田くんのモデルは松井宏樹?赤穂市民病院事件と2026年判決の全貌
漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルとされる医師は、元赤穂市民病院の脳神経外科医・松井宏樹氏です。作品の背景には、2019年から2020年にかけて同病院で発生した複数の医療事故があり、2020年1月22日の手術では、患者の神経が医療用ドリルによって損傷され、両下肢のまひなど深刻な後遺障害が残りました。
事件は民事裁判だけでなく刑事裁判にも発展しています。2025年5月には赤穂市と執刀医に約8900万円の賠償を命じる判決が確定。さらに2026年3月12日、松井宏樹被告に禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決が言い渡され、同月27日に確定しました。一方、漫画の作者らに対する名誉毀損などの刑事告訴も、2026年2月20日付で不起訴となっています。【神戸新聞NEXT・赤穂民報報道】
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- モデル医師:報道で実名が明らかになっているのは、元赤穂市民病院の松井宏樹氏。
- 医療事故と裁判:2020年の腰椎手術による神経損傷について、2025年に約8900万円の賠償判決、2026年3月に刑事有罪判決が確定。
- 漫画をめぐる告訴:作者と被害患者の長女、元上司に対する刑事告訴は2026年2月20日付で不起訴。
【モデル医師の正体】脳外科医竹田くんと松井宏樹氏の関係
主人公・竹田のモデルと報道された医師
『脳外科医 竹田くん』の主人公である竹田は、地方の市民病院に勤務し、手術で重大な問題を繰り返す脳神経外科医として描かれています。
この人物のモデルとされるのが、松井宏樹氏です。テレビ朝日や神戸新聞などの報道でも、松井氏が漫画の主人公のモデルとされています。
松井氏は2019年7月に赤穂市民病院の脳神経外科に着任しました。その後、同医師が関わった手術で複数の医療事故が発生。病院は2020年3月に手術や侵襲的検査を行わないよう指示したとされています。
松井氏は2021年8月に同病院を依願退職しています。【神戸新聞NEXT・赤穂民報】
漫画の作者は誰?正体について公表された情報
作者についても、作品の背景を理解するうえで重要な事実があります。
2025年2月5日、漫画の公式掲載ブログで作者が声明を発表し、自身が赤穂市民病院で2020年1月22日に発生した医療過誤の被害者の親族であることを明らかにしました。
作者は、病院で起きた医療事故や脳神経外科内部の問題について、関係者から情報を得られる立場にあったと説明しています。そして、事故の経緯や病院の対応を社会に伝える目的で漫画を制作したとしています。
ただし、作者の本名や一般人としての詳細なプロフィールは、本人の声明や主要報道で広く公表されていません。ネット上で流通している作者の正体に関する推測と、本人が明らかにした情報は区別する必要があります。【作者公式ブログ・まいどなニュース、2025年2月6日】
松井宏樹氏と作者の関係
両者の関係を整理すると、松井氏は医療事故の執刀医であり、作者はその事故の被害者の親族です。
つまり、漫画は無関係な第三者が想像だけで作った医療フィクションではありません。実際の医療事故と病院内の問題を題材にした作品です。
一方、作者自身も声明で、作品は架空の世界を舞台とするフィクションであり、読者に問題を伝えるため設定の単純化や比喩的表現を用いたと説明しています。実際の人物や事件と漫画の登場人物を、すべて一対一で対応させることはできません。
【事件の経緯】赤穂市民病院の医療事故8件と2020年の手術
2019年から相次いだ脳神経外科の医療事故
問題の発端は、松井氏が赤穂市民病院に着任した2019年にさかのぼります。
神戸新聞の報道によると、松井氏が関わった手術では着任後の約8か月間に8件の医療事故が発生しました。病院は2021年12月、これら8件について事実関係を認めています。
ただし、ここで重要なのは、8件すべてが医療過誤と認定されたわけではないという点です。
病院の当時の説明では、腰椎手術で患者の神経を損傷した1件については医療過誤を認めた一方、死亡例を含むほかの7件については、医師の過失による医療過誤ではないとの認識を示しました。【神戸新聞NEXT、2021年12月17日】
2020年1月22日、神経を切断した手術
刑事裁判の対象となったのは、2020年1月22日に行われた女性患者の腰椎手術です。
患者は脊柱管狭窄症と診断され、腰椎の一部を切除する手術を受けました。ところが、手術中に出血が発生し、術野を十分に確認できない状態になりました。
判決で認定された事故の原因は、十分な止血を行わず、手術部位を目視で把握することが難しい状態のまま医療用ドリルによる切削を続けたことです。
その結果、硬膜が損傷され、馬尾神経が切断されました。患者には両下肢の重度のまひや膀胱直腸障害、神経障害性疼痛などの後遺障害が残りました。
この手術について、2026年3月12日の刑事判決では、止血を十分に行い視認性を確保することは基本的な注意義務であり、それを怠ったことが過失と認定されています。【赤穂民報、2026年3月12日・神戸新聞NEXT、2026年3月12日】
「8件」と「11件」の違いにも注意
この事件を調べると、医療事故の件数として8件と11件の両方が登場します。
これは単純な数字の間違いではありません。
2021年の病院発表で確認された8件は、同一医師が関わった手術で発生した医療事故についての数字です。一方、2025年5月の民事判決に関する赤穂民報の報道では、松井氏の着任後約9か月間に関わった手術のうち、今回の事故を含む11事例が医療事故として検証対象になったと紹介されています。
対象期間や検証の範囲が異なるため、8件と11件を足し合わせて19件の医療過誤があったと解釈するのは誤りです。また、事故として検証されたことと、法的に過失が認定されたことも同じではありません。【神戸新聞NEXT、2021年12月17日・赤穂民報、2025年5月14日】
【事件の時系列】民事賠償・刑事裁判・漫画をめぐる告訴
一連の問題は、医療事故の発生、病院内での検証、民事訴訟、刑事訴訟、漫画をめぐる法的紛争という複数の段階を経ています。
主要な出来事を時系列で整理すると、次のとおりです。
| 年月日・時期 | 出来事 | 確認できる内容 |
|---|---|---|
| 2019年7月 | 松井氏が着任 | 赤穂市民病院の脳神経外科に勤務開始。 |
| 2020年1月22日 | 重大医療事故 | 腰椎手術中に神経を損傷。患者に重い後遺障害が残る。 |
| 2020年3月 | 執刀などの中止指示 | 病院長が手術や侵襲的検査を行わないよう指示したと報道。 |
| 2021年8月 | 松井氏が退職 | 赤穂市民病院を依願退職。 |
| 2021年12月17日 | 8件の事故を公表 | 病院が事実関係を認め、1件を医療過誤と判断。 |
| 2023年1月~7月 | 漫画を公開 | 『脳外科医 竹田くん』がインターネット上で発表される。 |
| 2024年12月27日 | 松井氏を在宅起訴 | 業務上過失傷害罪で神戸地検姫路支部が起訴。 |
| 2025年2月5日 | 作者が声明を発表 | 被害患者の親族であることを公表。 |
| 2025年5月14日 | 民事賠償判決 | 赤穂市と執刀医に約8888万円の支払いを命令。 |
| 2025年5月31日 | 民事判決確定 | 双方が控訴せず、賠償判決が確定。 |
| 2026年2月20日 | 漫画をめぐる告訴が不起訴 | 作者、被害患者の長女、元上司について不起訴決定。 |
| 2026年3月12日 | 刑事有罪判決 | 禁錮1年、執行猶予3年。 |
| 2026年3月27日 | 刑事判決確定 | 被告と検察の双方が控訴せず確定。 |
| 2026年7月31日 | 病院の運営体制を決定 | 2027年4月からの指定管理者として医療法人伯鳳会を指定。 |
この時系列から分かるのは、医療事故そのものの責任追及と、病院組織の安全管理、漫画をめぐる表現上の争いが、それぞれ異なる法的手続きで進んできたことです。【神戸新聞NEXT・赤穂民報・赤穂市公式発表】
【2025年と2026年の判決】約8900万円の賠償と松井宏樹氏の有罪確定
2025年5月14日:約8888万円の損害賠償判決
2020年の手術で後遺障害を負った女性と家族は、赤穂市と執刀医に対して損害賠償を求める民事訴訟を起こしていました。
神戸地方裁判所姫路支部は2025年5月14日、被告側に合計約8888万円の支払いを命じました。報道では約8900万円とされています。
原告側が求めていた賠償額は約1億4180万円でした。
判決では、出血によって手術部位の視認性が十分でないにもかかわらず、止血を十分に行わず骨の切除を進めた点について、執刀医の注意義務違反は著しいと判断されました。
また、事故後の病院の説明についても、患者や家族に対して迅速かつ十分な説明を尽くしたとは評価できないと指摘しています。
一方、裁判所は、病院の監督や安全管理について、当時の状況から執刀を全面的に禁止すべきだったとまでは判断していません。この点は、執刀医個人の責任と病院組織の責任を考えるうえで重要です。
その後、赤穂市と執刀医の双方が控訴せず、2025年5月31日に判決が確定しました。【赤穂民報、2025年5月14日・神戸新聞NEXT、2025年6月2日】
2026年3月12日:神戸地裁姫路支部が有罪判決
民事訴訟とは別に、松井氏は業務上過失傷害罪で刑事責任を問われました。
2026年2月9日の初公判では、松井被告は起訴内容をおおむね認めました。一方、弁護側は、手術はチームで行うものであり、助手を務めた指導医にも責任があると主張していました。
同月12日の公判では、松井被告自身も、術野が見えにくい状況で切削能力の高いドリルを使用し続けたことを自身の過失として認めたと報じられています。
そして3月12日、神戸地裁姫路支部は松井被告に対し、禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。検察側の求刑は禁錮1年6か月でした。
判決では、止血が不十分で手術部位を十分に確認できない状況なら、ドリルによる切削を中断すべきだったと判断。助手の作業が不十分だったとしても、それを理由に手術を続けてよいことにはならないとしました。
一方、判決は、経験の乏しい執刀医を支援するチーム医療の体制が十分に機能していなかった点にも言及しています。個人の過失を認定しながら、病院組織の支援体制にも問題があったという判断です。
量刑については、被告が医師として復帰することが事実上難しい状況にあること、賠償に応じていること、公判で過失を認めて謝罪したことなどが考慮されました。
被告と検察はいずれも期限までに控訴せず、2026年3月26日の控訴期限を経て、翌27日に有罪判決の確定が報じられています。【赤穂民報、2026年3月12日・3月27日、神戸新聞NEXT、2026年3月12日】
民事裁判と刑事裁判は何が違うのか
今回の事件では、約8900万円の賠償判決と禁錮1年・執行猶予3年の有罪判決が混同されがちです。
しかし、両者は目的が異なります。
- 民事裁判:患者と家族が受けた損害について、誰がどの程度賠償責任を負うのかを判断する。
- 刑事裁判:執刀医の行為が犯罪に当たるかを判断し、刑罰を科すかどうかを決める。
民事判決で賠償が確定しても、それだけで刑事上の有罪が決まるわけではありません。今回の事件では、それぞれ独立した手続きで責任が判断され、最終的に両方の判決が確定しました。
【漫画と実話の違い】作者への名誉毀損告訴と不起訴の真相
『脳外科医竹田くん』は実話なのか
作品は、実際の赤穂市民病院の医療事故をモチーフにしています。
ただし、舞台となる病院や地域は架空の設定です。作品では「赤池市」の市民病院を舞台に、竹田という医師や上級医、医療安全部門、病院長などが登場します。
作者の2025年2月の声明によると、実際の医療事故や病院内の問題を題材にしながら、読者に伝わりやすいように設定を単純化し、比喩的な表現を用いたとしています。
そのため、作品の大筋に現実の事件とのつながりがあっても、個々の登場人物の発言、細かな場面、人物同士の関係をすべて実際の出来事として受け取ることはできません。
作品を読む際には、次の3つを分けることが大切です。
- 裁判で事実として認定された手術の過失や後遺障害。
- 病院の発表や関係者の証言によって明らかになった組織内の問題。
- 漫画として再構成された人物描写、会話、演出、物語上の設定。
松井氏が作者らを刑事告訴した経緯
漫画の公開後、作品の内容をめぐって作者とモデルとされる医師の間で法的な争いが起きました。
2025年7月、松井氏は漫画の作者、被害患者の長女、赤穂市民病院在籍当時の上司を、名誉毀損や信用毀損などを理由に刑事告訴しました。
赤穂民報の2026年3月2日の報道によると、神戸地検姫路支部は2026年2月20日付で、告訴された3人全員を不起訴と決定しました。
このニュースが注目された理由は、医療事故をめぐる刑事裁判で松井氏に有罪判決が出る直前の時期に、漫画をめぐる告訴の不起訴が明らかになったためです。【赤穂民報、2026年3月2日】
不起訴は漫画の全内容が事実と認定されたという意味ではない
ここは法律上、特に注意したいポイントです。
不起訴とは、検察が刑事裁判を開くための公訴を提起しないという判断です。今回の不起訴によって、作者らに刑事裁判で有罪判決が出たわけではありません。
また、不起訴になったことだけをもって、漫画に登場するすべての描写が裁判所によって事実認定されたということにもなりません。
今回の告訴について、検察が公表した詳細な不起訴理由は確認できません。したがって、不起訴という結果と、漫画の個々の表現が法的にどう評価されるかは別の問題として考える必要があります。
なお、作者側は2025年3月、漫画の表現について名誉毀損を理由とする損害賠償債務が存在しないことの確認を求め、大阪地裁に民事訴訟を提起したことも報じられています。これは今回の刑事告訴とは別の手続きです。【弁護士ドットコム、2025年3月11日・赤穂民報、2026年3月2日】
【2026年最新】松井宏樹氏の現在と医師免許・病院の医療安全体制
松井宏樹氏の現在の勤務状況
松井氏は2021年8月に赤穂市民病院を退職した後、大阪市内の医療機関を経て、吹田市内の病院に勤務していたと報じられています。
2026年2月12日の赤穂民報による公判報道では、松井被告は直近の勤務先を2025年10月に退職し、当時は無職だったとされています。
公判では、本人が外科医として再び働くことに消極的な考えを示す一方、医師免許の返納については、今のところ考えていないと述べたことも伝えられました。
ただし、これは2026年2月時点の報道内容です。2026年10月29日現在の新たな勤務先や具体的な就業状況については、確認できる続報が限られています。【赤穂民報、2026年2月12日】
医師免許は有罪判決だけで自動的に取り消されるのか
医師免許についても、誤解が多い部分です。
医師法第7条では、一定の事由に該当する医師について、厚生労働大臣が次の行政処分を行えると定めています。
- 戒告
- 3年以内の医業停止
- 医師免許の取消し
これらの行政処分にあたっては、あらかじめ医道審議会の意見を聴く必要があります。
つまり、刑事裁判で有罪判決が確定したからといって、直ちに医師免許が自動失効するわけではありません。刑事責任と行政処分は別の制度です。
2026年3月の有罪判決後、被害者家族は厚生労働省の医道審議会に対して厳しい行政処分を求める意向を示しました。
2026年10月29日現在、松井氏に対する医師免許取消しや業務停止などの具体的な行政処分決定は、確認できる公表資料からは特定できません。したがって、免許が取り消されたと断定することも、今後の処分がないと断定することもできません。【厚生労働省・医師法第7条、弁護士ドットコム、2026年3月14日】
赤穂市民病院の医療安全管理体制はどうなった?
今回の事件で問われたのは、執刀医個人の技術や注意義務だけではありません。病院が問題を把握した段階で、医療行為を適切に制限し、患者の安全を守る仕組みが機能していたのかという問題です。
赤穂民報は2025年1月、松井氏に対する手術禁止指示の後も、手術やカテーテル検査などの侵襲的検査が計12件行われ、そのうち3件は文書による再通達後だったと報じています。同紙の取材に対して病院は、これら12件について医療事故はなかったと説明したとされています。
また、同紙は2025年5月、病院の院内医療事故調査委員会が2022年に開催されていた一方、事故調査報告書は作成されていなかったと報道しました。原因究明と再発防止策を市民が検証できる形で示せたのかという点は、病院の説明責任を考えるうえで重要です。【赤穂民報、2025年1月4日・5月15日】
一方、赤穂市民病院が公開している2025年3月改訂の医療安全管理指針には、医療安全推進室や医療安全推進委員会、入院・外来・透析・手術などのリスク部会が設置されています。
同指針では、医療事故を過失の有無を問わない望ましくない事象と定義する一方、医療過誤については医療従事者や医療機関の過失によって起きたものと区別しています。
インシデントやアクシデントの情報を収集し、再発防止策を策定し、その実施状況を評価する仕組みも明記されています。これは現在公開されている病院の制度上の体制であり、過去の問題が完全に解消されたことを意味するものではありません。【赤穂市民病院公式・医療安全管理指針】
2027年4月からは指定管理者制度へ移行
2026年の赤穂市民病院をめぐる重要な動きとして、病院の運営体制の変更もあります。
赤穂市の2026年9月10日更新の公式資料によると、2026年7月30日の市議会で指定管理者を指定する議案が可決され、医療法人伯鳳会が2027年4月1日から指定管理者となることが決まりました。
指定期間は2037年3月31日までの10年間です。
市は医師などの医療従事者の確保、効率的な病院経営、地域医療の維持などを経営改革の目的として掲げています。
この運営変更を今回の医療事故だけの結果と結び付けることはできません。ただし、重大な医療事故を経験した病院が新しい運営体制に移行する以上、医療安全の実効性や事故情報の公開、患者への説明責任が今後も問われることになります。【赤穂市公式サイト、2026年9月10日更新】
【プロの結論】この事件から読み取るべき医療安全の本質
今回の事件で最も重要なのは、一人の医師の技量だけを問題にして終わらせないことです。
刑事判決は執刀医の注意義務違反を認定しました。同時に、経験の乏しい医師を支援するチーム体制が十分に機能していなかった点にも触れています。
医療現場では、担当医が手術を継続するか中断するかを判断することはもちろん、上級医が危険を察知して介入できること、病院が執刀権限を適切に管理すること、事故が起きた後に患者と家族へ説明することが欠かせません。
特に重要なのは、次の5つの視点です。
- 事故の報告:小さな異常や重大な合併症を組織として把握できているか。
- 執刀権限の管理:医師の経験や技量に応じて手術を任せる仕組みがあるか。
- 中止判断の実効性:上級医や病院長の指示が現場で確実に守られるか。
- 事故後の説明:患者と家族に原因や経過を誠実に説明できているか。
- 再発防止の検証:事故調査の結果や改善策を実際の診療現場に反映できているか。
医療安全は、医師個人の注意力だけに依存するものではありません。危険を予測し、問題が発生した際に手術を止め、組織全体で患者を守る仕組みがあって初めて成立します。
【FAQ】脳外科医竹田くんのモデルに関するよくある質問
Q1:脳外科医竹田くんのモデル医師の実名は?
A1:松井宏樹氏です。元赤穂市民病院の脳神経外科医で、2020年1月の腰椎手術における業務上過失傷害事件で、2026年3月に有罪判決が確定しました。
Q2:赤穂市民病院の医療事故8件は、すべて医療過誤だった?
A2:いいえ。2021年12月の病院発表では、8件のうち1件を医療過誤と認め、ほかの7件については医療過誤ではないとの認識を示していました。2025年の民事判決で言及された11事例とは検証対象の範囲が異なります。
Q3:松井宏樹氏の有罪判決はいつ確定した?
A3:2026年3月12日に禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決が言い渡されました。被告と検察の双方が控訴せず、3月27日に判決確定が報じられています。
Q4:松井宏樹氏の医師免許は取り消された?
A4:2026年10月29日現在、免許取消しなどの具体的な行政処分決定は確認できません。有罪判決の確定と医師免許に対する行政処分は別の手続きです。
Q5:脳外科医竹田くんの作者は誰?
A5:作者は2025年2月、自身が赤穂市民病院の医療過誤被害者の親族であることを公表しました。ただし、一般に確認できる声明では本名などの詳細なプロフィールは公表されていません。
Q6:漫画の作者は名誉毀損で有罪になった?
A6:いいえ。松井氏が作者らを刑事告訴しましたが、神戸地検姫路支部は2026年2月20日付で不起訴としました。刑事裁判で有罪判決を受けたわけではありません。
Q7:赤穂市民病院は今後どうなる?
A7:2027年4月1日から医療法人伯鳳会による指定管理者制度に移行することが2026年7月に決定しました。指定期間は10年間です。
まとめ:脳外科医竹田くん事件の現在と今後の注目点
『脳外科医 竹田くん』のモデルとされる松井宏樹氏と赤穂市民病院の医療事故をめぐる問題は、2026年3月の刑事有罪判決の確定によって、大きな節目を迎えました。
2025年5月には約8900万円の民事賠償判決が確定し、2026年3月には業務上過失傷害罪で禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決が確定しています。また、漫画の作者らに対する名誉毀損などの刑事告訴は不起訴となりました。
一方、松井氏に対する医師免許の行政処分、病院の医療安全体制の実効性、2027年4月の指定管理者制度移行後の運営など、引き続き注目すべき問題は残っています。
この事件を単なる漫画のモデル探しや医師個人への批判として終わらせてはいけません。患者の安全を守るために、医師の技量をどう評価し、危険な医療行為を誰が止め、事故後の説明と検証をどう徹底するのか。日本の医療機関全体に突き付けられた課題です。
今後は、医道審議会による行政処分の動向と、赤穂市民病院の新しい運営体制における医療安全対策の具体的な実施状況が重要な焦点になります。
被害患者と家族が受けた苦痛は、刑事判決や賠償金によって元に戻るものではありません。事件の教訓を再発防止につなげられるかどうかが、今後の医療安全を評価する最も重要な判断基準となります。 (出典: 脳外科医 竹田くん モデル(Yahoo!ニュース))