高倉健主演『駅 STATION』を徹底解説|あらすじ・キャスト・北海道ロケ地・名作の理由

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高倉健主演『駅 STATION』を徹底解説|あらすじ・キャスト・北海道ロケ地・名作の理由
高倉健主演『駅 STATION』を徹底解説|あらすじ・キャスト・北海道ロケ地・名作の理由
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高倉健主演の映画『駅 STATION』は、1981年11月7日に公開された北海道を舞台とする人間ドラマだ。北海道警の刑事であり、オリンピックの射撃選手でもある三上英次の人生を軸に、いしだあゆみ演じる元妻・直子、烏丸せつこ演じるすず子、倍賞千恵子演じる桐子との出会いと別れを描く。監督は降旗康男、脚本は倉本聰、音楽は宇崎竜童が担当。上映時間は約132分である。

2026年は、脚本を手がけた倉本聰が9月18日に91歳で亡くなったこともあり、改めて作品に注目が集まっている。銭函駅、増毛駅、雄冬など北海道各地で撮影された風景、八代亜紀の「舟唄」が流れる印象的な場面、そして高倉健と倍賞千恵子による長回しの演技。作品の背景から受賞歴、現在のDVD・Blu-ray・配信状況まで詳しく紹介する。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】

  • 作品の基本情報:1981年公開。高倉健主演、降旗康男監督、倉本聰脚本による約132分の人間ドラマ。
  • キャストと物語:三上英次の人生を、直子・すず子・桐子という3人の女性との関係から描く三部構成。
  • 北海道のロケ地:小樽市の銭函駅、増毛町の増毛駅、風待食堂、雄冬などが登場する。
  • 音楽の魅力:八代亜紀の「舟唄」が物語の重要な場面で3回流れる。
  • 受賞歴:第5回日本アカデミー賞で最優秀作品賞など5部門を受賞。
  • 2026年の視聴方法:U-NEXTで見放題配信が確認でき、DVD・Blu-rayも発売されている。

【作品の基本情報】高倉健『駅 STATION』のあらすじと三上英次の人生

駅高倉健
【画像】駅 高倉 健 関連ショット

1981年公開、北海道を舞台にした三部構成の映画

駅高倉健
【写真】駅 高倉 健 近影・注目カット

『駅 STATION』は、東宝映画が製作し、東宝が配給した1981年の日本映画である。劇場公開日は1981年11月7日。国立映画アーカイブの所蔵フィルム情報にも、監督・降旗康男、脚本・倉本聰、撮影・木村大作、音楽・宇崎竜童という主要スタッフが記録されている。

主人公は北海道警の刑事・三上英次。警察官として事件を追う一方、オリンピックの射撃選手としても活動してきた人物だ。優れた射撃の腕前を持つが、その能力は時として自分の望まない仕事に結びつく。警察官としての責任と、一人の人間としての幸福の間で揺れ動く姿が描かれる。

物語は、1967年1月の「直子」、1976年6月の「すず子」、1979年12月の「桐子」という三つの章から構成される。時間の経過とともに英次の立場や人間関係が変わり、各章の駅が人生の転換点として機能していく。

第一部「直子」――雪の銭函駅で迎える家族との別れ

駅高倉健
【資料】駅 高倉 健 報道・メディア記録

物語の冒頭、雪が降り続く北海道の銭函駅で、英次は妻の直子と幼い息子・義高を見送る。直子は離婚を承諾し、列車が動き出すと英次に笑顔で敬礼する。しかし、その表情には涙が浮かんでいる。

夫婦の関係が壊れた背景には、警察官としての厳しい勤務やオリンピック射撃選手としての合宿生活、直子の過ちなどがあった。英次は自分の信念を曲げられず、家族との生活を失う。

さらに、英次の上司で射撃の指導にも関わっていた相馬が、連続警察官射殺犯「指名22号」に殺害される。犯人を追いたい英次だが、メキシコオリンピックを控えた代表選手という立場から捜査を外されることになる。

ここで描かれるのは、仕事に人生を捧げてきた男が、仕事によって家族との時間も失ってしまう皮肉だ。高倉健の抑えた表情と、いしだあゆみの列車からの敬礼が、作品全体を象徴する場面となっている。

第二部「すず子」――刑事としての責任と人間としての迷い

1976年6月。オリンピック選手を引退した英次は、射撃の技術を生かしながら、警察の仕事を続けている。物語では、赤いミニスカートの女性を狙った通り魔事件を追う英次の姿が描かれる。

捜査線上に浮かぶのは、増毛駅前の風待食堂で働く吉松すず子の兄・五郎だ。英次はすず子の周辺を調べるが、彼女自身もまた、木下雪夫との関係に悩みを抱えている。

雪夫は宇崎竜童が演じる人物で、すず子にとっては惹かれながらも傷つけられる相手だ。彼女は妊娠や中絶を経験しながらも、雪夫への気持ちを断ち切れない。

一方、英次自身も射撃強化コーチとしての立場を失い、警察官としての職務と個人の感情の間で揺れる。事件を解決することだけでは割り切れない、人間の弱さが物語に加わる章である。

第三部「桐子」――増毛の居酒屋で始まる大人の恋

1979年12月。英次は故郷の雄冬へ帰る途中、増毛駅に立ち寄る。そこで入った赤提灯の居酒屋を切り盛りしていたのが、倍賞千恵子演じる桐子だった。

桐子は一人で店を営む女性で、英次と同じように孤独を抱えている。店のテレビでは八代亜紀の「舟唄」が流れ、二人は自然に言葉を交わす。大晦日には一緒に映画を観に行き、少しずつ距離を縮めていく。

しかし、桐子には重大な秘密があった。彼女が関わっていた森岡茂は、かつて英次の上司を殺害した指名22号だったのだ。英次は桐子への思いと刑事としての責任を同時に抱え、避けられない決断を迫られる。

物語の終盤、再び「舟唄」が流れる。英次は桐子の胸の内にある悲しみに気づかないまま、札幌へ向かう列車に乗る。駅で出会った二人が、最後には別々の方向へ進んでいく展開が、タイトルの意味を深く印象づける。

※ここまでのあらすじには、物語終盤の展開を含む。

【人物相関・出演者一覧】高倉健、倍賞千恵子、いしだあゆみの役柄

三上英次を演じる高倉健の存在感

高倉健が演じる三上英次は、北海道警の刑事であり、オリンピック射撃選手としての経歴を持つ男だ。仕事には厳しく、感情を簡単には表に出さない。しかし、家族との別れや同僚の死、事件の関係者との出会いを通して、内面には複雑な葛藤を抱えている。

この役柄の特徴は、単純な正義のヒーローではないことだ。英次は刑事として職務を遂行する一方、自分の判断によって誰かを傷つけてしまう。射撃の腕前は彼の誇りであると同時に、背負わなければならない重荷にもなっている。

高倉健は、台詞を多く使わず、視線や姿勢、沈黙によって英次の感情を表現する。特に桐子との場面では、普段の寡黙な刑事とは異なる、人間らしい温かさが垣間見える。

倍賞千恵子が演じる桐子の役柄

倍賞千恵子が演じる桐子は、増毛で居酒屋を営む女性だ。華やかな恋愛を求める人物ではなく、日々の生活を送りながら、自分の孤独と向き合っている。

英次との出会いによって、彼女の中に長く閉じ込められていた感情が動き始める。二人の関係は、若い恋愛のような勢いではなく、孤独を知る大人同士が少しずつ心を通わせるものとして描かれている。

第5回日本アカデミー賞の公式記録では、倍賞千恵子は桐子役で優秀主演女優賞に選ばれている。特に高倉健との約9分半に及ぶ長回しの場面は、演技の見どころとして紹介されている。

いしだあゆみが演じる三上直子の役柄

いしだあゆみが演じる三上直子は、英次の元妻であり、息子・義高の母親だ。登場時間は長くないものの、物語の出発点を担う重要な存在である。

銭函駅で列車に乗り込み、英次に敬礼して別れる場面では、夫婦としての関係が終わっても消えない感情が表現されている。直子の姿は、その後の英次が経験する出会いと別れを理解するうえでも欠かせない。

いしだあゆみも第5回日本アカデミー賞で優秀助演女優賞にノミネートされた。

主要キャスト・出演者と役柄の関係一覧

登場人物出演者役柄・物語上の関係
三上英次高倉健主人公。北海道警の刑事で元オリンピック射撃選手。
桐子倍賞千恵子増毛の居酒屋を営む女性。英次と恋愛関係になる。
三上直子いしだあゆみ英次の元妻。幼い息子とともに英次のもとを去る。
吉松すず子烏丸せつこ増毛の風待食堂で働く女性。五郎の妹。
吉松五郎根津甚八すず子の兄。通り魔事件の容疑者。
木下雪夫宇崎竜童すず子と関係を持つ若い男。
森岡茂室田日出男指名22号。英次の上司を殺害した事件の犯人。
相馬大滝秀治英次の上司で射撃の指導にも関わる人物。
菅原田中邦衛英次の幼なじみ。故郷の仲間の一人。
三上冬子古手川祐子英次の妹。
中川警視池部良警察組織の上層部に属する人物。
高田名古屋章直子の父親。
列車の客武田鉄矢列車内に登場する乗客。
三上昌代北林谷栄英次の母親。
本庄良介阿藤快立てこもり事件に関わる人物。

このほか、竜雷太、小林稔侍、永島敏行、潮哲也、寺田農、佐藤慶、織本順吉、小松政夫、塩沢ときら、多くの実力派俳優が出演している。主要人物だけでなく、警察関係者や故郷の友人、駅員などの脇役まで厚みのある配役が組まれている点も魅力だ。

キャストの役名と出演者の対応は、国立映画アーカイブや映画.comの作品情報でも確認できる。

【北海道ロケ地完全ガイド】銭函駅・増毛駅・雄冬はどこにある?

銭函駅――物語の冒頭を飾る雪の別れの舞台

冒頭で直子と義高が英次のもとを離れる駅として登場するのが、北海道小樽市の銭函駅だ。

雪が降るホーム、列車の出発、残された英次の姿。駅という場所が持つ「出会い」と「別れ」の意味を、最初に観客へ伝える重要なロケーションとなっている。

銭函駅はJR函館本線の駅であり、映画の舞台となった実在の場所だ。現在も駅周辺には北海道らしい海岸風景が広がり、映画の冒頭を思い浮かべながら訪れることができる。

増毛駅――映画を象徴する重要なロケ地

作品の後半で重要な役割を果たすのが、北海道増毛町にあった増毛駅だ。英次が故郷の雄冬へ帰る途中で立ち寄り、桐子と出会う場所として登場する。

増毛駅は1921年に開通したJR留萌本線の終着駅だった。しかし、鉄道事業の廃止に伴い、2016年12月5日に営業を終了している。

増毛町の公式観光情報によれば、現在も駅舎と周辺の建物が保存・活用されている。駅舎は開通当時の姿に復元され、映画に登場する風待食堂も観光案内所として残されている。

つまり、映画の中の列車が現在も走っているわけではない。実際の鉄道駅としては役割を終えたものの、映画と地域の歴史を伝える場所として新たな役割を担っている。

風待食堂と居酒屋「桐子」の撮影場所

増毛駅前に登場する風待食堂は、実際には増毛町の旧多田商店で撮影された。映画の外観を残した建物は、現在、風待食堂観光案内所として活用されている。

さらに、2017年4月21日には、観光案内所の屋内に映画に登場する居酒屋「桐子」のスタジオセットが再現された。

ここで注意したいのは、映画の居酒屋が当時のまま営業しているわけではないという点だ。現在の「桐子」は映画の世界を再現した展示空間として楽しむ場所である。

雄冬――英次の故郷として描かれる北海道の風景

雄冬は増毛町にある地域で、映画では英次が帰省する故郷として登場する。海と山に囲まれた風景が、主人公の過去や家族との関係を象徴する舞台になっている。

ロケ地情報によれば、雄冬神社では結婚式の場面が撮影され、旧雄冬小中学校ではそりやスキーの場面が撮影された。また、雄冬の実家に関係する屋内シーンでは、増毛町の国稀酒造が撮影場所として使われている。

雄冬は駅名ではなく地域名である。映画のタイトルにある「駅」という言葉に引き寄せられがちだが、実際には鉄道駅だけでなく、故郷の港や神社、町並みも物語の重要な舞台となっている。

北海道の主なロケ地一覧

  • 銭函駅:小樽市。直子と義高が英次と別れる冒頭の場面。
  • 増毛駅:増毛町。英次と桐子の出会いにつながる駅。
  • 風待食堂:増毛町。旧多田商店を利用した撮影場所で、現在は観光案内所。
  • 雄冬漁港:増毛町。英次の故郷を象徴する風景。
  • 雄冬神社:増毛町。結婚式の場面に登場。
  • 留萌駅:留萌市。劇中の駅の場面で使用された。
  • 上砂川駅:上砂川町。警察の捜査に関わる場面に登場。
  • 阿分稲荷神社:増毛町。初詣の場面の撮影場所。

映画のロケ地を訪れるなら、現在の施設の利用状況や公開時間、交通手段を事前に確認したい。特に増毛駅は鉄道の営業が終了しているため、現在の観光施設として訪れることになる。

【音楽と制作の秘密】降旗康男監督・倉本聰脚本・八代亜紀の「舟唄」

倉本聰が高倉健のために書いたオリジナル脚本

『駅 STATION』の脚本を担当したのは、2026年9月18日に91歳で亡くなった倉本聰だ。

日本アカデミー賞協会の第5回受賞記録には、倉本が高倉健のために脚本を書き、北海道の駅を写真に撮っていたことをきっかけに物語を構想したという制作背景が紹介されている。

倉本の脚本の特徴は、事件の謎解きだけに物語を集中させず、登場人物の生活や感情の積み重ねを丁寧に描くことにある。『駅 STATION』でも、刑事事件を縦軸にしながら、主人公の人生に現れる女性たちとの関係を横軸に据えている。

そのため、観客は単に犯人が誰なのかを追うだけではなく、英次がどのように生き、何を失い、何を選ぶのかを見届けることになる。

2026年11月3日には、倉本聰の遺志に基づくお別れの会が北海道富良野市で予定されている。脚本家としての仕事を振り返る際、『駅 STATION』も高倉健との重要な仕事として位置づけられる作品だ。

降旗康男監督が描いた高倉健の新しい人間像

監督の降旗康男は、高倉健と複数の作品で仕事を重ねてきた映画監督だ。

本作では、アクション映画のような派手な見せ場よりも、人物の沈黙や視線、雪景色の中に立つ姿を重視している。事件を追う刑事という設定でありながら、映画の中心にあるのは人間の感情だ。

日本アカデミー賞協会の作品評でも、降旗の演出について、雪の北海道を舞台に中年刑事と女性たちの出会いと別れを抒情的に描いた点が評価されている。

撮影を担当した木村大作の仕事も見逃せない。吹雪や雪の積もったホーム、暗い夜の風景など、北海道の厳しい自然環境を作品の感情表現に結びつけている。

八代亜紀「舟唄」が映画の感情をつなぐ

本作を語るうえで欠かせないのが、八代亜紀の代表曲「舟唄」だ。

劇中では、増毛の居酒屋で英次と桐子が出会う場面、二人が親しくなっていく場面、そして別れに向かう場面など、重要なタイミングで合計3回流れる。

2015年の朝日新聞マリオン欄のインタビューで、八代亜紀本人は、この映画で「舟唄」が3回使用されたことや、高倉健との交流について振り返っている。

興味深いのは、音楽が登場人物の感情を直接説明するために使われていないことだ。桐子が好きな歌として聴いている「舟唄」が、観客には彼女の孤独や英次との関係を感じさせる役割を果たす。

映画の最後に同じ曲が流れることで、最初に聞いたときとは違う意味が生まれる。歌そのものが、英次と桐子の出会いから別れまでをつなぐもう一人の語り手になっている。

【日本アカデミー賞と作品評価】『駅 STATION』が名作と呼ばれる理由

第5回日本アカデミー賞で5部門を受賞

『駅 STATION』は、1982年2月18日に開催された第5回日本アカデミー賞で高い評価を受けた。

最優秀作品賞をはじめ、脚本、主演男優、音楽、録音の5部門で最優秀賞を受賞している。

  • 最優秀作品賞:『駅 STATION』
  • 最優秀脚本賞:倉本聰
  • 最優秀主演男優賞:高倉健
  • 最優秀音楽賞:宇崎竜童
  • 最優秀録音賞:田中信行

また、降旗康男は優秀監督賞、倍賞千恵子は優秀主演女優賞、いしだあゆみと烏丸せつこは優秀助演女優賞にノミネートされた。主要スタッフと出演者の双方が評価された点も、本作の完成度を示している。

映画の評価を支える5つのポイント

1.三部構成による人生の描写

一人の主人公を中心に、異なる時代と異なる女性との関係を描く構成が特徴だ。各章は独立した人間ドラマとして成立しながら、最後には英次の人生という一本の線につながっていく。

2.高倉健の抑制された演技

英次は感情を大げさに表現しない。だからこそ、わずかな表情の変化や沈黙が大きな意味を持つ。高倉健の持つ寡黙なイメージを、単なる格好よさではなく、孤独や後悔を抱えた人物像へと発展させている。

3.倍賞千恵子との長回し

桐子と英次の居酒屋での場面は、二人の演技をじっくり味わえる重要なシーンだ。日本アカデミー賞協会の記録でも約9分半の長回しとして紹介されている。編集で細かく感情を説明するのではなく、俳優の呼吸と間を観客に感じさせる演出になっている。

4.北海道の風景が持つ物語性

雪の駅、港町、居酒屋、列車。これらは単なる背景ではない。人が去っていく場所、誰かを待つ場所、人生をやり直そうとする場所として描かれている。木村大作の撮影による自然の厳しさが、人物の孤独と重なっている。

5.音楽と生活描写の一体感

「舟唄」だけでなく、テレビから流れる歌謡曲や、食堂の食事、酒を酌み交わす場面など、昭和の生活文化が細かく描かれている。こうした日常の描写が、物語に実在感を与えている。

2026年の映画レビューから見える評価と注意点

映画.comでは評価3.7点、KINENOTEでは75.4点という掲載値が確認できる。レビューの集計人数や評価尺度は異なるため、数字を単純に比較することはできないが、作品が現在も鑑賞・評価されていることがわかる。

一方、観客の感想には、物語の展開がゆっくりしていることや、前半は事件の進行より人物描写に重点が置かれていることを指摘するものもある。テンポの速い現代のサスペンス映画を期待すると、長く感じる可能性がある。

しかし、そのゆったりした構成こそが本作の持ち味でもある。人物の心情を説明しすぎず、観客自身が表情や風景から感情を読み取る余白が残されている。

【プロの結論】名作として評価するなら何を見るべきか

『駅 STATION』を名作として評価する最大のポイントは、刑事ドラマと恋愛映画を無理に分離していないことだ。

英次が刑事として事件に向き合う姿と、一人の男性として女性たちと関係を築く姿は、同じ人生の中に存在している。仕事の責任を果たすことと、自分の幸福を求めることは必ずしも両立しない。その現実を、作品は安易な解決に導かず描いている。

また、3人の女性を単なる恋愛相手として扱っていない点も重要だ。直子には家族との生活を失った背景があり、すず子には自分の愛情をうまく扱えない苦しさがあり、桐子には英次とは別の事情と孤独がある。それぞれが独立した人生を持っている。

この作品が向いているのは、人物の心理描写、昭和の北海道の風景、抑制された演技、音楽と映像の余韻を楽しみたい人だ。反対に、事件解決のスピード感や明快な勧善懲悪を期待する人には、やや静かすぎる作品に映るかもしれない。

名作かどうかを判断するなら、犯人の正体や結末だけでなく、冒頭の銭函駅と最後の列車の場面を見比べてほしい。駅を通じて描かれる英次の人生の変化にこそ、本作の本質がある。

【DVD・Blu-ray・配信情報】2026年に『駅 STATION』を見る方法

東宝のDVDは2015年、Blu-rayは2012年に発売

『駅 STATION』は東宝からDVDとBlu-rayが発売されている。

Blu-rayは2012年8月22日発売。東宝の公式商品情報によると、本編は132分で、日本語モノラル音声と日本語4ch音声を収録し、日本語字幕にも対応している。劇場予告やスチールコレクションなどの映像特典も収録された。

DVDは2015年2月18日に「東宝DVD名作セレクション」として発売された。品番はTDV-25099Dで、映像特典には予告編が収録されている。

コレクション目的で購入する場合は、DVDとBlu-rayの仕様の違いを確認したい。特にBlu-ray版には複数の音声仕様が収録されているため、作品の音響を楽しみたい人にも選択肢となる。

2026年10月の動画配信状況

2026年10月29日時点で確認できる主な配信情報は次のとおりだ。

  • U-NEXT:見放題配信。公式作品ページで2026年10月現在の配信情報を確認できる。
  • Amazon Prime Video:レンタル・購入の対象として配信情報が掲載されている。
  • Lemino:レンタル配信として掲載されている。
  • J:COM STREAM:レンタル配信として掲載されている。
  • music.jp:レンタル配信として掲載されている。

配信サービスの一覧はFilmarksの2026年8月時点の情報も参考になる。ただし、配信権や提供期間は変更されるため、実際に視聴する際は各サービスの作品ページで最新状況を確認したい。

初めて鑑賞する人には、見放題で視聴できるU-NEXTが便利だ。繰り返し観たい人や、長期保存を考えている人には、東宝のDVD・Blu-rayも選択肢になる。

【駅 STATIONに関するよくある質問(FAQ)】

Q1:映画『駅 STATION』はいつ公開された?

A1:1981年11月7日に劇場公開された。監督は降旗康男、脚本は倉本聰、主演は高倉健。上映時間は約132分の日本映画である。

Q2:高倉健が演じた三上英次はどんな人物?

A2:北海道警の刑事であり、オリンピックの射撃選手としても活動してきた人物。仕事への責任感が強い一方、家族との別れや事件を通して人間的な葛藤を抱える主人公だ。

Q3:倍賞千恵子といしだあゆみは何の役?

A3:倍賞千恵子は増毛で居酒屋を営む桐子役。いしだあゆみは主人公・三上英次の元妻である三上直子役を演じている。

Q4:映画のロケ地である増毛駅は現在も利用できる?

A4:鉄道駅としての営業は2016年12月5日に終了している。現在は駅舎が復元・保存され、映画の舞台として知られる風待食堂も観光案内所として活用されている。

Q5:八代亜紀の「舟唄」は映画のどこで流れる?

A5:増毛の居酒屋で英次と桐子が出会う場面、二人が親しくなる場面、そして別れに向かう場面など、物語の重要なタイミングで合計3回使用されている。

Q6:『駅 STATION』は日本アカデミー賞を受賞した?

A6:受賞している。1982年の第5回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀脚本賞、最優秀主演男優賞、最優秀音楽賞、最優秀録音賞の5部門を受賞した。

Q7:2026年現在、どこで視聴できる?

A7:U-NEXTで見放題配信が確認できるほか、Amazon Prime Videoなどでもレンタル・購入の配信情報がある。東宝から発売されたDVD・Blu-rayでも視聴できる。

まとめ:高倉健『駅 STATION』が2026年にも見直される理由

『駅 STATION』は、高倉健が演じる刑事・三上英次の人生を通じて、人間の孤独、仕事への責任、愛情、そして別れを描いた作品だ。

いしだあゆみの直子、烏丸せつこのすず子、倍賞千恵子の桐子。それぞれの女性との関係が、英次の人生に異なる影響を与えていく。降旗康男の演出、倉本聰の脚本、木村大作の撮影、宇崎竜童の音楽が一体となり、北海道の風景を印象的な人間ドラマへと変えている。

銭函駅での別れから増毛駅での出会い、そして最後の列車へ。八代亜紀の「舟唄」が流れる場面は、作品を象徴する名シーンとして今も記憶に残る。

2026年は脚本家・倉本聰の逝去を受け、その作品世界を振り返る機会が増えている。『駅 STATION』は、単に高倉健の代表作の一つというだけではない。人が出会い、離れ、それぞれの人生を歩いていくという普遍的なテーマを、北海道の駅と列車に重ねた映画である。

まだ鑑賞していない人は、約132分の時間をかけて、登場人物たちの表情や北海道の風景、そして最後に流れる「舟唄」に耳を傾けてほしい。時代が変わっても色あせない人間ドラマの魅力を感じられるはずだ。

主な事実確認資料

- 国立映画アーカイブ・作品所蔵記録、映画.comの作品情報・キャスト・受賞歴。
- 日本アカデミー賞協会・第5回受賞記録。
- 増毛町公式観光情報、北海道のロケ地情報。
- 朝日新聞マリオン・八代亜紀の「舟唄」と映画に関するインタビュー。
- 倉本財団・富良野市による倉本聰の逝去発表。
- 東宝公式DVD・Blu-ray情報、U-NEXTの2026年10月配信情報。
- 映画.com・KINENOTEの作品評価。 (出典: 駅 高倉 健(Yahoo!ニュース))