外国人に生活保護を出す国はどこ?日本と海外5か国の制度・最新動向を徹底比較
外国人に生活保護を出す国は、日本だけではありません。ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、カナダなどでも、一定の在留資格や居住条件を満たした外国人に対して、公的扶助や生活困窮者向けの給付を実施しています。ただし、外国人なら誰でも日本人と同じように受給できるわけではなく、永住資格、難民認定、就労歴、滞在期間などによって制度の扱いは大きく異なります。
2026年10月現在、日本では1954年の厚生省通知に基づく行政措置によって、一定の外国人に生活保護に準じた支援が行われています。一方、政府は2026年1月に外国人の受給実態を把握する方針を示し、制度運用の適正化に向けた検討を進めています。最新の厚生労働省資料、国会答弁、海外の公的制度を比較しながら、外国人への生活保護をめぐる疑問とネット上の噂を整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 対象国:日本のほか、ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、カナダなどでも一定条件を満たす外国人が公的扶助を受けられる。
- 日本の実態:2024年度、外国籍の世帯主がいる生活保護世帯は月平均4万7,332世帯で、全体の約2.9%。
- 法律上の位置付け:日本の外国人への生活保護は、生活保護法上の受給権ではなく、行政措置による支援。
- 2026年の動き:政府は在留資格別の利用実態を把握する仕組みの整備を進め、2027年6月からの情報連携を予定している。
- 重要な誤解:外国人全員が受給できるわけでも、生活保護受給世帯の3分の1が外国人というわけでもない。
【先に結論】外国人に生活保護を出す国は日本以外にもある
外国人に対する公的扶助は、国際的に珍しい制度ではありません。多くの先進国では、国内に合法的に居住する外国人のうち、一定の条件を満たした人を社会保障制度の対象にしています。
ただし、各国が採用しているのは必ずしも日本の生活保護と同じ制度ではありません。最低所得保障、社会扶助、失業給付、難民向け給付など、制度の目的や財源、受給要件が異なります。
外国人への公的扶助を実施する代表的な国
- 日本:永住者や定住者など一定の在留資格を持つ外国人に行政措置として生活保護に準じた支援を実施。
- ドイツ:外国人にも一定の社会扶助を認める一方、難民申請中の人には別制度を適用。
- フランス:一定期間の就労可能な在留資格や難民認定などを条件に最低所得保障を実施。
- イギリス:永住資格などがあれば公的給付を利用できるが、多くの一時滞在者には制限がある。
- アメリカ:一定の適格移民は給付対象になるが、連邦の資力調査付き給付には原則5年間の制限がある。
- カナダ:永住者や難民申請者などが州の社会扶助を利用できる場合がある。
このように、外国人への支援を認めるかどうかだけでなく、どの在留資格を対象とするか、滞在期間を何年求めるか、難民をどう扱うかが各国の制度を比較するポイントです。
したがって、「外国人に生活保護を出す国」という問いに対しては、単純な賛成・反対の二択ではなく、外国人の法的地位と支援制度の仕組みを分けて考える必要があります。
【日本の制度を詳しく解説】外国人はなぜ生活保護を受けられるのか
日本の外国人への生活保護を理解するには、生活保護法と1954年の厚生省通知を区別することが欠かせません。
生活保護法は日本国民を対象としている
生活保護法第1条は、生活に困窮するすべての国民に対して必要な保護を行うことを制度の目的としています。
この規定における「国民」は日本国民を意味するため、外国人は生活保護法に基づく直接の保護対象には含まれません。
しかし、外国人が日本国内で生活に困窮した場合に、一切の公的支援を受けられないという意味ではありません。
1954年5月8日の厚生省通知が現在の運用の出発点
外国人への生活保護に準じた支援の根拠となっているのが、1954年5月8日付の厚生省社会局長通知「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」です。
この通知では、外国人は生活保護法の適用対象ではないことを前提としながら、当分の間、生活に困窮する外国人に対して、日本国民に対する生活保護の決定や実施に準じて必要な保護を行うことを定めました。
つまり、日本では外国人に対して法律そのものを適用しているのではなく、行政上の措置として生活保護に準じた支援を実施しているのです。
生活保護に準じた支援を受けられる外国人の在留資格
厚生労働省の制度説明では、適法に日本に滞在し、国内での活動に制限を受けない一定の在留資格を持つ外国人が対象とされています。
代表的な対象者は次のとおりです。
- 永住者:日本での在留活動や在留期間に原則として制限がない外国人。
- 定住者:法務大臣が特別な事情を考慮して一定期間の在留を認めた外国人。
- 日本人の配偶者等:日本人の配偶者や実子など、該当する在留資格を持つ人。
- 永住者の配偶者等:永住者などの配偶者や実子で、該当する在留資格を持つ人。
- 特別永住者:特別永住者の地位を持つ人。
- 認定難民:入管法上、難民として認定された人。
このほか、特定活動の在留資格を持つ人でも、国内での活動制限などを踏まえて対象となるケースがあります。個別の在留資格については、福祉事務所や厚生労働省による確認が必要です。
技能実習生や特定技能外国人は対象になるのか
ここで注意したいのが、外国人労働者なら誰でも生活保護に準じた支援を受けられるわけではないという点です。
技能実習や特定技能など、就労できる活動が一定の範囲に制限されている在留資格は、原則として対象に含まれません。
2024年4月24日の衆議院法務委員会では、政府側から、育成就労や特定技能についても活動が一定の業種に限定されるため、生活保護に準じた保護の対象とはならないとの説明がありました。
したがって、外国人労働者の受け入れ制度と生活保護の対象範囲は、分けて理解する必要があります。
2014年の最高裁判決で何が変わったのか
2014年7月18日、最高裁判所第二小法廷は、永住資格を持つ外国人の生活保護をめぐる訴訟で、外国人は生活保護法に基づく保護の対象にはならず、同法に基づく受給権を持たないとの判断を示しました。
この判決によって明確になったのは、外国人が生活保護法上の権利として給付を請求できるわけではないという点です。
一方、1954年の通知に基づく行政措置による支援そのものを違法としたわけではありません。外国人に対する行政上の保護が続いていることと、法律上の受給権が認められることは、別の問題です。
この違いは、2025年に日本ファクトチェックセンターが検証した「最高裁が外国人への生活保護を違法と確定した」という情報にも関係しています。判決の内容を正確に理解するには、法律上の権利と行政措置を区別することが重要です。
【数字で検証】外国人の生活保護受給世帯はどれくらいあるのか
外国人への生活保護をめぐる議論では、受給者数や受給率がしばしば話題になります。しかし、数字を読むときには、統計が何を数えているのかを確認しなければなりません。
2024年度の外国籍世帯主による受給状況
厚生労働省が公表している「外国人の生活保護に関するよくあるご意見・ご質問」によると、2024年度の月平均は次のとおりです。
- 外国籍の世帯主がいる生活保護世帯:4万7,332世帯
- その世帯に属する被保護人員:6万4,993人
- 生活保護受給世帯全体に占める割合:約2.9%
- 被保護人員全体に占める割合:約3.2%
ここで重要なのは、6万4,993人が外国人だけの人数ではないという点です。生活保護は世帯単位で判断されるため、外国籍の世帯主と同じ世帯に暮らす日本人の配偶者や子どもも、この数字に含まれています。
厚生労働省自身も、外国人だけを切り分けた受給者数は把握していないと説明しています。
2012年度と2024年度を比較すると増加していない
外国籍の世帯主がいる世帯に属する被保護人員数は、2012年度には7万4,736人でした。それが2024年度には6万4,993人となっています。
単純比較では約9,700人の減少です。少なくとも、この12年間について厚生労働省が公表している数値から、外国人世帯の生活保護利用が一貫して増加しているとは判断できません。
「中国人の生活保護が5年間で2倍」は本当か
厚生労働省のQ&Aでは、中国籍の世帯主がいる生活保護世帯に属する人員数についても説明しています。
2018年度は9,059人、2023年度は9,471人でした。5年間で約400人の増加であり、2倍に増えたという情報とは一致しません。
この数字も中国人だけを抽出した受給者数ではなく、中国籍の世帯主がいる世帯に属する人員数です。日本人の家族が含まれる可能性があります。
また、外国籍の世帯主がいる世帯が全体の約2.9%という数字を、外国人受給者全体の正確な割合と読み替えることもできません。
数字の意味を取り違えると、制度の実態とは異なる印象が生まれてしまいます。
【海外5か国を徹底比較】外国人にどのような公的扶助を認めているのか
日本以外の国では、外国人に対してどのような生活支援を行っているのでしょうか。制度の特徴を比較すると、各国とも在留資格や居住実績を重視していることが分かります。
| 国名 | 主な制度・仕組み | 外国人の受給条件・特徴 |
|---|---|---|
| 日本 | 生活保護に準じた行政措置 | 永住者、定住者、特別永住者、認定難民など一定の対象者 |
| ドイツ | 社会法典第12編の社会扶助、難民給付法 | 滞在資格や滞在期間によって給付制度が異なる |
| フランス | RSA(活動連帯所得) | 原則5年以上の就労可能な在留許可、または永住・難民などの資格 |
| イギリス | Universal Creditなどの公的給付 | NRPF制限のない在留資格や永住資格などが必要 |
| アメリカ | 連邦・州の公的扶助 | 適格移民を中心に対象。連邦の資力調査付き給付には原則5年間の制限 |
| カナダ | 州政府のSocial Assistance | 永住者や難民申請者など、州の条件を満たす人が対象 |
1. ドイツ:外国人にも社会扶助を認める制度
ドイツでは、社会法典第12編(SGB XII)第23条に外国人への社会扶助に関する規定があります。
同条では、ドイツ国内に実際に滞在する外国人に対し、生活費や病気、妊娠・出産、介護などに関する支援を行う仕組みが定められています。
ただし、外国人全員が無条件で受給できるわけではありません。入国後最初の3か月、滞在資格がない場合、滞在目的が求職や就学などに限られる場合、社会扶助を得る目的で入国した場合などには制限があります。
また、難民申請中の人は、一般の社会扶助ではなく、原則として難民申請者給付法(Asylbewerberleistungsgesetz)に基づく支援を受けます。
難民として認定された人や一定の保護資格を得た人は、一般の社会保障制度へ移行し、条件を満たせばドイツ国民と同様の給付を利用できます。
2. フランス:RSAは外国人にも条件付きで認められる
フランスには、RSA(Revenu de solidarité active)という最低所得を保障する制度があります。日本語では活動連帯所得などと訳されます。
基本的には25歳以上で、一定の所得条件や居住条件を満たす人が対象です。
外国人については、原則としてフランスで就労可能な在留許可を5年以上保持していることが条件となります。ただし、居住者カードを持つ人や難民認定者、無国籍者、補完的保護の対象者などには別の条件が設けられています。
したがって、フランスも外国人に対して公的扶助を認めていますが、観光客や短期滞在者が自由に申請できる制度ではありません。
3. イギリス:NRPFによる公的給付の制限
イギリスの特徴は、NRPF(No Recourse to Public Funds)という仕組みです。
これは、在留資格に公的資金へのアクセス制限を付ける制度です。多くの一時滞在者は、この条件によってUniversal Creditや住宅扶助など、対象となる公的給付を利用できません。
一方、永住に相当するIndefinite Leave to Remainを取得した人や、難民認定者、人道的保護を受けた人などは、その他の要件を満たせば公的給付を利用できます。
なお、NRPFが適用される人でも、社会福祉サービスや一定の緊急支援まで一律に利用できないわけではありません。また、国民保険料の納付実績に基づく給付には別の扱いがあります。
4. アメリカ:原則5年間の制限と難民などの例外
アメリカでは、1996年に成立した個人責任・就労機会調整法(PRWORA)などを背景に、外国人の公的扶助に一定の制限が設けられています。
8 U.S.C. §1613では、原則として一定の適格移民が、適格な在留資格を取得してから5年間、連邦の資力調査付き公的給付を利用できない仕組みが定められています。
ただし、難民、亡命認定者、一定の強制送還保留対象者などは、この5年間の制限の例外です。
また、アメリカは連邦政府と州政府で制度が異なります。州独自の給付制度が存在するため、連邦制度だけを見て外国人への支援全体を判断することはできません。
緊急医療、災害時の短期支援、学校給食など、一般的な生活扶助とは別に扱われる支援もあります。
5. カナダ:州ごとに異なる社会扶助制度
カナダでは、生活困窮者への社会扶助は州ごとに運用されており、全国一律の受給条件ではありません。
例えばオンタリオ州のOntario Worksでは、一定の資産・所得条件を満たすことに加えて、州内に居住していることなどが求められます。
永住者や難民認定者だけでなく、正式な難民保護申請を行った人も、所定の書類と条件を満たせば対象になる場合があります。
一方、観光客や通常の学生ビザ、就労許可で滞在する人は、原則としてOntario Worksの対象外です。
ブリティッシュコロンビア州では、永住者、保護対象者、難民申請者、一部の一時滞在許可保持者など、州独自の対象範囲が定められています。
このように、カナダの制度は外国人に対する支援を認めていますが、州ごとの制度設計と移民資格の確認が欠かせません。
【2026年最新情報】日本政府は外国人の生活保護を見直すのか
2026年の日本では、外国人の生活保護をめぐる議論が制度の運用面に進んでいます。特に注目されるのが、在留資格別の受給実態を把握するための仕組みづくりです。
2026年1月23日:政府が制度運用の適正化を決定
2026年1月23日、政府は「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を決定しました。
この対応策では、外国人が利用する各種制度の適正化が課題として掲げられ、生活保護についても、自治体と連携して在留資格を確認できる仕組みや、利用実態の把握を進める方向が示されました。
さらに、生活保護に準じた支援の対象となる在留資格などについても、見直しの検討対象とされています。
ただし、これは対象者を直ちに全面変更するという決定ではありません。制度の実態を把握し、運用の適正化を検討するという段階です。
2026年8月:厚生労働省が情報連携の整備計画を提示
2026年8月5日に開催された生活保護システム等標準化検討会の資料では、生活保護制度において、在留資格別の人数などを現在は十分に把握できないという課題が示されました。
その解決策として、福祉事務所でマイナンバーによる情報連携を行い、国籍や在留資格などの情報取得を可能にする仕組みが検討されています。
実施予定時期は2027年6月です。生活保護システムの標準仕様を改定し、在留資格の把握を進める計画となっています。
この変更が実現すれば、これまで十分に把握できなかった外国人の受給状況を、より詳細に分析できるようになる可能性があります。
2026年6月時点の生活保護全体の受給状況
厚生労働省が2026年9月2日に公表した2026年6月分の被保護者調査では、生活保護の被保護実人員数は196万9,502人でした。
前年同月と比較すると1万8,995人、約1.0%の減少です。
ただし、この数字は生活保護全体の人数であり、外国籍の世帯主がいる世帯だけの人数ではありません。外国人に関する内訳としては、引き続き2024年度の月平均データが重要な公表資料となっています。
2026年10月現在の制度はどうなっている?
2026年10月30日時点で、外国人への生活保護に準じた行政措置が一律に廃止されたわけではありません。
現在の制度の基本的な枠組みは、1954年の通知と一定の在留資格を対象とする行政運用に基づいています。
今後の注目点は、次の3つです。
- 在留資格別の受給実態がどこまで正確に把握されるか。
- 現在の対象となる在留資格について、制度の見直しが行われるか。
- 日本人と外国人の双方にとって公平で、生活困窮者を取りこぼさない運用が実現するか。
【ネットの反応・炎上・噂の真相】外国人の生活保護をめぐる論点
外国人への生活保護は、税負担や社会保障の公平性、人道的支援、外国人政策など複数の問題が重なるテーマです。国会でも繰り返し取り上げられ、SNSでも議論の対象になっています。
ネット上で議論される主な論点
議論の中心には、大きく分けて2つの考え方があります。
一つは、税金を財源とする公的扶助なのだから、受給対象となる在留資格や審査基準を明確にし、日本人との公平性を確保すべきだという考え方です。制度の利用実態が十分に把握されていないことや、不適正利用への懸念も、この立場から指摘されています。
もう一つは、日本で長く生活している永住者や定住者、難民などが生活困窮に陥った場合、人道上の観点から最低限の生活を支える必要があるという考え方です。外国人の家族に日本人の子どもが含まれるケースなども、制度を考えるうえで重要な論点です。
この2つは必ずしも両立しないものではありません。審査の適正化と、必要な人への支援を確保することは、同時に検討できる課題です。
噂1:「生活保護受給世帯の3分の1は外国人」
判定:事実と異なる。
厚生労働省の2024年度データでは、外国籍の世帯主がいる生活保護世帯は全体の約2.9%です。3分の1という数字とは大きく異なります。
また、約2.9%という数字も、外国籍の世帯主がいる世帯の割合であり、外国人本人だけの正確な受給率ではありません。
噂2:「外国人の生活保護受給者は毎年増え続けている」
判定:厚生労働省の公表データでは裏付けられない。
2012年度の7万4,736人に対し、2024年度は6万4,993人です。少なくとも、この比較期間で一貫した増加傾向は確認できません。
噂3:「最高裁が外国人への生活保護を違法と判断した」
判定:誤解を招く表現。
2014年7月18日の最高裁判決は、外国人には生活保護法に基づく受給権がないと判断しました。しかし、1954年通知に基づく行政措置による保護まで違法と判断したわけではありません。
日本ファクトチェックセンターも2025年2月27日の検証記事で、この点を整理しています。
噂4:「外国人なら在留資格を問わず受給できる」
判定:誤り。
日本の行政措置は、永住者や定住者、特別永住者、認定難民など、一定の条件を満たす外国人を対象としています。短期滞在者や活動制限のある在留資格の人が、自由に利用できる制度ではありません。
2025年から2026年にかけて議論が続く理由
2025年の国会審議では、外国人のみの受給者数を正確に把握できないことが課題として取り上げられました。
2026年1月の政府方針や同年8月の厚生労働省のシステム整備資料は、こうした問題に対する具体的な対応の一つです。
今後は、SNSで広がる数字の断片だけで判断するのではなく、在留資格別のデータや政府の制度改正案を確認することが、議論の質を高めるうえで重要になります。
【プロの結論】外国人への生活保護を判断するための3つの視点
外国人への生活保護をめぐる問題は、単に「出す国」と「出さない国」を分類するだけでは理解できません。各国の制度を比較すると、共通して重要になるのは、法的な滞在資格、居住実績、生活困窮の程度という3つの要素です。
視点1:在留資格と受給資格は別の問題
日本に合法的に滞在していることと、生活保護に準じた支援を受けられることは同じではありません。永住者と短期滞在者、難民認定者と就労資格保持者では、制度上の扱いが異なります。
海外でも、永住資格や長期居住、難民認定などを条件とする国が少なくありません。
視点2:受給者数と外国人本人の人数を混同しない
日本の生活保護統計は世帯単位で運用されています。そのため、外国籍世帯主の世帯に属する人員数を、そのまま外国人の受給者数として扱うことはできません。
2027年6月に予定される情報連携の整備によって、国籍や在留資格別の実態把握が進めば、現在より精度の高い議論が可能になると考えられます。
視点3:制度の公平性と人道的支援を両立させる
公的扶助は、納税者の負担によって支えられる制度です。だからこそ、対象者の条件や審査方法、給付の適正性を明確にする必要があります。
同時に、日本で長期間生活している人や難民など、深刻な生活困窮に直面している人への支援をどう確保するかも考えなければなりません。
制度の透明性を高め、不適正利用を防ぎながら、必要な人には必要な支援が届く仕組みを構築することが、今後の政策判断に求められます。
【外国人に生活保護を出す国】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:外国人に生活保護を出す国は日本以外にどこがありますか?
A1:ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、カナダなどがあります。ただし、各国で制度や受給資格は異なり、永住資格、難民認定、滞在期間、所得条件などが審査されます。
Q2:日本では外国人全員が生活保護を受けられますか?
A2:いいえ。永住者、定住者、特別永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、認定難民など、一定の在留資格を持つ人が行政措置による支援の対象となります。
Q3:外国人の生活保護受給世帯は全体の何%ですか?
A3:厚生労働省による2024年度の月平均では、外国籍の世帯主がいる生活保護世帯は全体の約2.9%です。ただし、この数字は外国人本人だけの受給率ではありません。
Q4:外国人の生活保護は違法ではないのですか?
A4:外国人は生活保護法に基づく受給権を持ちませんが、1954年の厚生省通知に基づく行政措置によって、一定の外国人に生活保護に準じた支援が実施されています。2014年の最高裁判決も、この行政措置自体を違法とはしていません。
Q5:2026年に外国人への生活保護制度は廃止されましたか?
A5:2026年10月30日時点で、一律廃止された事実はありません。政府は利用実態の把握や在留資格の確認、制度運用の適正化を進めています。
Q6:外国人の生活保護の受給状況は今後どう変わりますか?
A6:2027年6月からのマイナンバーによる情報連携を通じて、国籍や在留資格などの把握を可能にする計画が進められています。今後の制度見直しや統計の公表内容が注目されます。
まとめ:外国人への生活保護は国ごとの条件と制度の違いが重要
外国人に生活保護や公的扶助を認める国は、日本以外にも存在します。ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、カナダでは、それぞれ異なる条件のもとで外国人への社会保障を実施しています。
日本では、外国人は生活保護法に基づく受給権を持たない一方、1954年の厚生省通知に基づく行政措置によって、永住者や定住者、特別永住者、認定難民などに生活保護に準じた支援が行われています。
2024年度の統計では、外国籍の世帯主がいる受給世帯は全体の約2.9%でした。また、2012年度から2024年度にかけて、該当世帯に属する被保護人員数は減少しています。
2026年は、政府が外国人の受給実態の把握や制度運用の適正化に動き始めた節目の年です。2027年6月に予定される情報連携の整備を含め、今後の政策や公表データを継続して確認する必要があります。
大切なのは、外国人への支援を一律に肯定したり否定したりすることではありません。誰が、どの条件で、どの制度から、どのような支援を受けられるのかを正確に理解することです。それが、生活保護をめぐる噂や誤解を解消し、公平で持続可能な社会保障制度を考える出発点になります。 (出典: 外国 人 に 生活 保護 を 出す 国(Yahoo!ニュース))