飛行機が墜落する確率は1回の搭乗で?2026年最新統計と死亡事故率を徹底解説
以下、2026年10月31日時点で公表されているIATA、ICAO、国土交通省、内閣府の統計を反映した記事原稿です。世界統計と日本の統計では対象となる航空機や事故の定義が異なるため、その違いも含めて構成しています。
飛行機が墜落する確率は、1回の搭乗でどれほどなのでしょうか。2026年10月現在、公表されている最新の国際航空統計を見ると、2025年の世界の航空事故発生率は100万便あたり1.32件です。さらに、IATA(国際航空運送協会)が公表した過去5年間の統計では、死亡事故の発生頻度は平均560万便に1件という水準まで低下しています。
ただし、ここでいう航空事故には、墜落だけでなく、着陸時の機体損傷や滑走路からの逸脱なども含まれます。事故全体の確率と、乗客が死亡する確率は同じではありません。IATAの2025年安全報告書、ICAOの2025年安全報告書、国土交通省の2026年公表資料を照らし合わせ、日本と世界の数字、過去の推移、自動車とのリスクの違いまで具体的に解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 1回の搭乗に関する目安:ICAOの2024年統計では、旅客数を分母とした死亡率は10億人あたり65人。単純換算で約1,540万人の旅客輸送につき死亡者1人に相当する。
- 世界の航空事故率:IATAの2025年統計では100万便あたり1.32件。事故全体と死亡事故を区別することが大切。
- 日本の安全性:2025年の国内航空事故は全航空機種を合わせて22件。大型旅客機を運航する主要航空事業者の乗客死亡事故は1985年以降発生していない。
【2026年最新】飛行機が墜落する確率は1回の搭乗でどれほど?
最初に押さえたいのは、「飛行機が墜落する確率」と「飛行機事故が起きる確率」は別の数字だという点です。
航空安全統計では、事故の発生件数、死亡事故の件数、搭乗者の死亡率などを分けて集計しています。そのため、事故全体の発生率をそのまま墜落する確率として紹介するのは正確ではありません。
1回の搭乗に近い指標は約1,540万人に1人相当
個人の搭乗経験に近い数字として参考になるのが、国際民間航空機関(ICAO)が公表した死亡率です。
ICAOの2025年版安全報告書によると、2024年の定期商業航空輸送では、約45億2,800万人の旅客輸送に対して296人の死亡者が記録されました。
この数字から算出された死亡率は、10億人あたり65人です。
これを単純に逆算すると、約1,538万人の旅客輸送につき死亡者1人という割合になります。割合に直すと約0.0000065%です。
ただし、これは航空機内の死亡者数を旅客輸送量で割った統計上の指標です。乗客だけの個人死亡確率を厳密に表したものではなく、乗員などの死亡者も含む集計である点には注意が必要です。
それでも、旅客機で移動する際の死亡リスクが非常に小さいことを把握する参考になります。
死亡事故の発生頻度は平均560万便に1件
IATAが2026年3月9日に発表した「2025 Annual Safety Report」では、2021年から2025年までの5年間における死亡事故の発生頻度について、平均560万便に1件と報告しています。
2012年から2016年までの10年前の5年間では、平均350万便に1件でした。つまり、死亡事故の発生頻度は長期的に改善しています。
なお、死亡事故とは、事故によって少なくとも1人の死亡者が発生した事故を指します。乗客全員が亡くなる墜落事故と同義ではありません。
また、560万便に1件という数字は航空便単位の統計であり、1人の乗客が死亡する確率を直接示す数字ではありません。
100万便あたりの事故率をどう読むべきか
航空業界では、事故件数を単純に比較するのではなく、運航便数を分母にした事故発生率を使います。
例えば、100万便あたり1.32件という数字は、100万回の運航に対して事故が1.32件発生したことを意味します。
これは墜落事故が100万便に1.32回起きるという意味ではありません。航空事故には、機体の重大な損傷や滑走路逸脱など、墜落とは異なる事象も含まれています。
【世界の最新統計】IATAとICAOの2025年安全報告書を比較
世界の航空安全を調べる際に重要な資料が、IATAとICAOの安全報告書です。どちらも国際的な航空安全を分析する主要資料ですが、対象とする運航や事故の定義が完全に同じではありません。
2026年10月時点で確認できる最新の主要データを整理すると、次のようになります。
| 統計・指標 | 対象年 | 公表数値 | 意味 |
|---|---|---|---|
| IATA・事故全体 | 2025年 | 51件 | 3,870万便の運航に対する事故件数 |
| IATA・事故発生率 | 2025年 | 1.32件/100万便 | 約75万9,646便に1件 |
| IATA・死亡事故 | 2025年 | 8件 | 前年の7件を上回る |
| IATA・5年間の死亡事故頻度 | 2021~2025年 | 約560万便に1件 | 死亡事故の5年間の平均的な発生頻度 |
| ICAO・事故全体 | 2024年 | 95件 | 定期商業航空の事故 |
| ICAO・事故発生率 | 2024年 | 2.56件/100万便 | 約3,709万便の出発に対する事故率 |
| ICAO・死亡事故 | 2024年 | 10件 | 死亡者296人 |
| ICAO・旅客死亡率 | 2024年 | 65人/10億人 | 旅客輸送量を分母にした死亡率 |
| 日本・航空事故全体 | 2025年 | 22件 | 大型機、小型機、ヘリコプターなどを含む |
IATAの2025年安全報告書で明らかになったこと
IATAの2025年安全報告書では、世界の商業航空において約3,870万便が運航され、51件の航空事故が発生しました。
2024年は約3,790万便に対して54件だったため、事故件数は3件減少しています。事故発生率も100万便あたり1.42件から1.32件へ改善しました。
一方、死亡事故は2024年の7件から2025年には8件へ増加しています。機内の死亡者数も244人から394人に増えました。
この数字は、一見すると矛盾しているように感じられるかもしれません。しかし、事故の発生頻度と事故が起きた場合の被害の大きさは別の指標です。
2025年は、少数の大規模事故が死亡者数を押し上げました。IATAによると、エア・インディア171便とPSA航空5342便の事故だけで、機内死亡者全体の77%超を占めています。
つまり、航空事故全体の発生率が改善しても、重大事故が発生した年には死亡者数が大きく増えることがあります。
ICAOの2025年安全報告書は2024年のデータを集計
ICAOの2025年版「State of Global Aviation Safety」は、2025年8月に公表された報告書です。ただし、中心となる事故統計は2024年のものです。
対象は、最大離陸重量5,700kgを超える航空機による定期商業航空運送です。
2024年は95件の事故、10件の死亡事故、296人の死亡者が記録されました。事故率は100万出発便あたり2.56件で、2023年の1.87件から36.8%上昇しています。
それでも、2019年の2.94件と比較すると低い水準です。2024年の事故率が前年より上昇したからといって、長期的な安全性が一気に悪化したと判断することはできません。
IATAとICAOの数字が違う理由
IATAとICAOの数字を単純に並べて、どちらの統計が正しいかを判断するのは適切ではありません。
IATAは、一定以上の重量を持つ商業運航機を対象とし、運航事業の範囲や機体損傷などの独自の事故分類基準を用いています。ICAOは、シカゴ条約の附属書13に基づく事故分類を用い、対象を定期商業運航に絞っています。
対象となる運航、事故の認定基準、集計方法が違うため、100万便あたりの数値にも差が生じます。
2026年の航空安全を判断する場合は、IATAの2025年データとICAOの2024年データをそれぞれの定義に沿って読むことが大切です。
【日本の航空安全】2025年の事故件数と死亡事故の実態
世界の航空統計だけでなく、日本国内の航空事故についても確認しておきましょう。
2026年6月に公表された内閣府の「令和8年交通安全白書」には、2025年の日本の航空事故統計が掲載されています。
2025年の日本の航空事故は22件、死亡者7人、負傷者15人でした。
ただし、この22件は一般の旅客機だけを対象にした数字ではありません。大型飛行機、小型飛行機、超軽量動力機、ヘリコプター、滑空機など、幅広い航空機が含まれています。
2025年の航空事故22件の内訳
航空機の種類別に見ると、次のような構成になっています。
- 大型飛行機:5件
- 小型飛行機:7件
- 超軽量動力機:1件
- ヘリコプター:6件
- 滑空機:3件
このうち、小型飛行機、超軽量動力機、ヘリコプター、滑空機を合わせると17件です。事故全体の大部分は、一般に長距離移動で利用する大型旅客機以外の航空機で発生しています。
大型飛行機は最大離陸重量5.7トンを超える飛行機を指します。そのため、大型飛行機の事故件数だけを見ても、すべてが定期旅客便の墜落事故というわけではありません。
日本の主要航空会社で乗客死亡事故は発生している?
日本の旅客機の安全性を考えるうえで注目したいのが、主要な航空運送事業者における乗客死亡事故の記録です。
内閣府の2026年版交通安全白書および国土交通省の航空輸送安全資料によると、客席数100席以上または最大離陸重量5万kg超の航空機を使用する特定本邦航空運送事業者では、1985年の日本航空123便墜落事故以降、乗客死亡事故は発生していません。
2025年の安全指標でも、定期便を運航する本邦航空運送事業者の死亡事故発生率は0.00、全損事故発生率も0.00でした。
一方、定期便に限定した航空事故発生率は100万運航回数あたり5.03件と記録されています。これは死亡事故や全損事故ではない航空事故も含む指標です。
ここから分かるのは、日本の定期旅客便では死亡事故が長期間発生していない一方、負傷や機体損傷などを伴う航空事故までゼロになったわけではないということです。
2026年に公表された最新の国土交通省資料
2026年9月1日、国土交通省は「航空輸送の安全にかかわる情報(令和7年度)」を公表しました。
2025年4月から2026年3月までの1年間に、本邦航空運送事業者で発生した航空事故は8件、重大インシデントは2件でした。
事故の中には、2025年4月6日に佐賀航空が運航するヘリコプターが海上に不時着水し、搭乗者3人が死亡した事案も含まれています。
また、旅客便では、着陸時の機体損傷、鳥との衝突、被雷、乱気流による負傷などが報告されています。
この資料は2025年度の航空運送事業者を対象とした集計であり、2025年暦年の航空事故22件とは対象期間も集計範囲も異なります。数字を合算することはできません。
【数字を正しく読む】飛行機事故と重大インシデントの違い
飛行機の安全性を調べる際、ニュースで見かける「航空事故」と「重大インシデント」を混同しないことも大切です。
どちらも安全上の重要な事象ですが、法律上の位置付けは異なります。
航空事故とは何か
航空法では、航空機の墜落、衝突、火災、人の死傷、航空機の重大な損傷などを航空事故として扱います。
そのため、航空事故という言葉が使われていても、必ずしも乗客が死亡したり、機体が完全に破壊されたりしたわけではありません。
例えば、着陸時に機体の一部が滑走路に接触して重大な損傷が発生した場合や、乱気流によって乗客が負傷した場合も、条件に該当すれば航空事故として扱われます。
重大インシデントとは何か
重大インシデントは、実際には航空事故に至らなかったものの、事故が発生するおそれがあったと認められる重大な事態です。
2025年度の国土交通省資料では、次のような事案が報告されています。
- 滑走路に作業車両が存在する状態で航空機が着陸した事案
- 上昇中にエンジンが停止し、もう一方のエンジンの推力も一時的に低下した事案
後者では、緊急事態を宣言したうえで目的地を変更し、別の空港に着陸しています。
これらは重大な安全上の問題ですが、重大インシデントという分類は、墜落事故が実際に起きたことを意味しません。
むしろ、事故に至らなかった段階で問題を把握し、再発防止につなげることが航空安全の重要な仕組みになっています。
【過去5年間の推移】飛行機の事故率は改善しているのか
飛行機の安全性を判断するなら、単年の事故件数だけでなく、過去5年間の推移を見る必要があります。
航空事故は発生頻度が低いため、大きな事故が1件発生するだけで、その年の死亡者数や事故率が大きく変化する場合があります。
ICAOが公表した2020~2024年の事故率
ICAOの2025年版安全報告書では、最大離陸重量5,700kg超の航空機による定期商業航空運航について、次の事故率が示されています。
- 2020年:100万便あたり2.14件
- 2021年:100万便あたり1.93件
- 2022年:100万便あたり2.05件
- 2023年:100万便あたり1.87件
- 2024年:100万便あたり2.56件
2023年までは全体として改善傾向にありましたが、2024年には上昇しました。
それでも、2019年の2.94件と比較すると2024年の事故率は低く、長期的な視点では過去の水準を下回っています。
IATAの2021~2025年の5年間の推移
IATAの最新報告書では、2025年の事故発生率は100万便あたり1.32件でした。2024年の1.42件から改善している一方、2021~2025年の5年間の平均である1.27件をわずかに上回っています。
さらに、IATAの公表資料によれば、2005年の事故率は100万便あたり3.72件でした。2025年には1.32件まで低下しており、約20年間で事故率は大きく改善しています。
ただし、死亡事故の件数は毎年一定ではありません。2025年には死亡事故8件、機内死亡者394人という結果になりました。
事故全体の発生率が下がっていることと、死亡事故が完全になくなったことは別問題です。長期的な改善を評価しながら、重大事故が発生する可能性を引き続き考慮する必要があります。
2026年の航空事故データはどこまで確定している?
2026年10月31日時点では、2026年の通年航空事故統計はまだ確定していません。
世界全体の最新の年間実績としては、IATAの2025年安全報告書が2026年3月に公表されています。また、ICAOの2025年版は2024年の実績を扱っています。
日本については、2026年6月の交通安全白書が2025年の暦年データを掲載し、国土交通省は同年9月に2025年度の航空輸送安全情報を公表しています。
したがって、「2026年最新」という表現を使う場合は、2026年に公表された資料なのか、2026年に発生した事故のデータなのかを区別する必要があります。
【原因と自動車比較】飛行機の安全性とリスクの実態
飛行機の事故率が低い理由を理解するには、航空事故がどのような場面で発生するのかを知ることも重要です。
航空事故の主な原因と発生理由
航空事故の原因は一つではありません。機体、操縦、気象、空港設備、管制など複数の要素が関係する場合があります。
IATAの2025年安全報告書では、事故の主な種類として次の事象が挙げられています。
- テールストライク:離着陸時などに機体の尾部が滑走路へ接触する事象。
- 着陸装置に関する事象:車輪や脚などの装置に関連して発生する問題。
- 滑走路逸脱:着陸や離陸の際に航空機が滑走路から外れる事象。
- 地上での機体損傷:駐機中や地上走行中などに航空機が損傷する事象。
2025年は、飛行中の操縦不能を意味するLOC-I(Loss of Control Inflight)の事故がゼロでした。IATAは、これが死亡事故の主要な原因の一つを抑えるうえで重要な成果だと説明しています。
また、空港施設が関係した事故は全体の16%を占めました。滑走路周辺の障害物、路面状態、標識や照明など、空港側の環境も安全性を左右する要因です。
飛行機事故を防ぐ多重の安全対策
旅客機の安全は、パイロットの技量だけで成立しているわけではありません。
航空機の設計・製造段階での安全基準、定期的な整備、出発前の点検、運航管理、気象情報の確認、航空管制、乗員訓練など、複数の仕組みが組み合わさっています。
例えば、飛行中にエンジンの異常が発生した場合でも、複数エンジンの設計や緊急時の運航手順によって、直ちに墜落することを防ぐ仕組みがあります。
また、事故が起きる前の異常を報告する制度も整備されています。重大インシデントや安全上のトラブルを調査し、原因分析と再発防止を行うことで、同じ問題が繰り返される可能性を減らしています。
飛行機と自動車ではどちらが安全?
飛行機と自動車の安全性を比べる場合、年間の死亡者数だけを比較しても正確な結論は出せません。
自動車は日常的に短距離から長距離まで幅広く使われる一方、旅客機は一度に多数の乗客を運びます。利用人数、移動距離、運行回数が大きく異なるためです。
比較に適しているのは、乗客が移動した距離を分母とする旅客キロや旅客マイルあたりの死亡率です。
米国の全米安全評議会(NSC)が公表する交通手段別の死亡率によると、過去10年間の乗客1億マイルあたりの死亡率は、乗用車が定期航空便の約1,200倍でした。
これは米国の統計に基づく比較であり、日本国内の交通事情をそのまま示す数字ではありません。しかし、同じ移動距離で比較した場合、定期旅客航空便が自動車より非常に低い死亡リスクを示すことを理解する参考になります。
なお、日本の2025年の道路交通事故死者数は24時間以内の集計で2,547人でした。交通事故の死亡者数が航空事故より多いという事実だけで、個人が自動車に乗る場合のリスクと飛行機に乗る場合のリスクを直接比較することはできません。
航空安全の数字を見るときの判断基準
航空事故の統計を読むときは、次の3点を確認すると数字の意味を取り違えにくくなります。
- 事故の定義:墜落、死亡事故、機体損傷を伴う事故のどれを集計しているか。
- 分母の種類:100万便あたりなのか、10億人の旅客輸送あたりなのか。
- 対象となる航空機:大型旅客機だけなのか、小型機やヘリコプターまで含むのか。
特に、航空事故全体の件数と旅客機の死亡事故発生率を同じものとして扱わないことが重要です。統計の対象をそろえるだけでも、航空安全の実態はかなり正確に理解できます。
【飛行機が墜落する確率】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:飛行機が1回の搭乗で墜落する確率は何%ですか?
A1:墜落だけを対象とした世界共通の確率は、事故の定義や統計の対象によって異なります。参考指標として、IATAの2021~2025年の統計では死亡事故が平均560万便に1件です。また、ICAOの2024年の旅客死亡率は10億人あたり65人でした。いずれも墜落そのものや、個人の死亡確率と完全に同じ指標ではありません。
Q2:飛行機の事故率は100万便あたり何件ですか?
A2:IATAの2025年安全報告書では、事故全体の発生率は100万便あたり1.32件です。約75万9,646便に1件という割合ですが、墜落事故だけでなく、機体損傷や滑走路逸脱なども含みます。
Q3:日本の旅客機は海外の旅客機より安全ですか?
A3:日本の主要航空運送事業者では、1985年の日本航空123便墜落事故以降、乗客死亡事故は発生していません。ただし、日本と海外では事故の定義や集計対象が異なるため、この記録だけで世界のすべての航空会社との安全性の優劣を断定することはできません。
Q4:飛行機と自動車ではどちらが事故に遭う可能性が高いですか?
A4:同じ移動距離を基準にした死亡リスクでは、定期旅客機のほうが自動車より低い傾向があります。米国NSCの過去10年間の統計では、乗用車の乗客の死亡率は定期航空便の約1,200倍でした。
Q5:飛行機事故が多いのは離陸時と着陸時のどちらですか?
A5:離着陸時には滑走路逸脱やテールストライクなどのリスクがあります。IATAの2025年報告書でも、テールストライク、着陸装置関連、滑走路逸脱などが主要な事故種類として挙げられています。ただし、すべての事故が離着陸時に発生するわけではありません。
まとめ:飛行機が墜落する確率は低く、数字の読み分けが重要
2026年10月時点で公表されている世界と日本の航空安全統計を見ると、定期旅客機の死亡事故は極めてまれであり、長期的には航空事故率も改善してきました。
特に重要なのは、IATAの2025年安全報告書で示された事故全体の発生率が100万便あたり1.32件、過去5年間の死亡事故の発生頻度が平均560万便に1件という数字です。
ICAOの2024年統計では、旅客数を分母にした死亡率は10億人あたり65人でした。単純換算では約1,540万人の旅客輸送につき死亡者1人に相当します。
日本についても、2025年の航空事故は全航空機種を合わせて22件発生しましたが、主要な定期旅客航空会社の乗客死亡事故は1985年以降発生していません。
一方、2025年には世界で死亡事故8件、機内死亡者394人が記録されました。事故率が低いことは、航空事故の危険性が完全になくなったことを意味しません。
【プロの結論】
飛行機の安全性を判断するうえで最も重要なのは、事故全体、死亡事故、個人の死亡リスクを分けて考えることです。
100万便あたりの事故率だけを見て飛行機が危険だと判断したり、死亡事故が長期間発生していないという理由だけでリスクがゼロだと考えたりするのは、どちらも正確ではありません。
航空機の技術、整備、運航管理、空港設備、国際的な安全基準が積み重なった結果として、現在の高い安全性が実現しています。
これから航空安全のニュースや統計を見る際は、事故件数だけでなく、運航回数あたりの発生率、死亡事故の頻度、旅客数あたりの死亡率を合わせて確認することが、実態を理解する最も確かな方法です。
主な統計根拠資料