【5】賞金分配の仕組みは?出資者にいくら戻るのか
一口馬主を検討する人が気になるのが、愛馬がレースで賞金を獲得した場合、実際に自分の口座へいくら振り込まれるのかという問題です。
ラフィアンでは、獲得賞金等から所定の費用や控除を差し引いた分配対象額を、出資口数に応じて会員に分配します。
賞金は獲得額がそのまま分配されるわけではない
例えば、愛馬が1着になって賞金を獲得したとしても、その全額が出資者に振り込まれるわけではありません。
賞金の分配前には、主に次のような控除があります。
- 調教師、騎手、厩務員などに支払われる進上金
- 賞金交付時の源泉徴収所得税
- 消費税
- クラブ法人の営業手数料
- 匿名組合契約に基づく利益分配に関する源泉徴収税
公式規約では、平地競走の進上金について、付加賞を除く賞金の20%に付加賞の5%を加算する仕組みが示されています。
また、クラブ法人の営業手数料は、特別出走手当を除く賞金の2%です。重賞競走では4%となります。
さらに、会員への分配時には、出資返戻金と利益分配額が区分されます。利益分配額に対しては、復興特別所得税を含む20.42%の源泉徴収が適用されます。
このため、実際の手取り金額を計算するには、賞金額だけでなく、各種控除や出資返戻金の計算を理解する必要があります。
月次分配・年次分配・引退精算分配の3種類
ラフィアンの分配には、大きく分けて3つの方法があります。
1. 月次分配
レースで獲得した賞金などを対象とする基本的な分配方法です。
原則として、レースに出走した月の翌月20日に指定口座へ振り込まれます。金融機関の休業日に当たる場合は前営業日です。
2. 年次分配
クラブ法人から愛馬会法人への利益分配に関する源泉徴収所得税の精算などを対象とします。
原則として、計算期間終了後の翌年3月20日に分配されます。
3. 引退精算分配
競走馬が引退して運用を終了する際に行われる精算です。
抹消給付金、売却代金、保険金、保険料の解約返戻金、引退に関する事故見舞金、消費税精算金、維持費出資金の初回預り金などが対象となります。
ただし、必ずしも全項目で返金や分配が発生するわけではありません。馬の成績や引退時の状況、各種費用によって精算結果は異なります。
出資金の元本は戻ってくる?
ここは、一口馬主の仕組みを理解するうえで特に重要です。
ラフィアンの競走馬ファンドは、元本保証の商品ではありません。
競走馬が十分な賞金を獲得できなければ、出資した競走馬出資金や維持費を回収できない可能性があります。
また、出資馬が2歳1月以降に運用を開始した後は、死亡や競走能力の喪失によって引退した場合でも、納入済みの競走馬出資金や維持費出資金などは原則として返還されません。
2歳到達前の運用開始前に契約が解除される場合とは、取り扱いが異なります。
さらに、出資が成立した後のクーリングオフ制度も適用されません。
したがって、賞金による利益を期待するだけでなく、出資金が回収できないケースも想定しておく必要があります。
【6】2026年度の募集馬と入会方法は?最後の募集を確認
2026年度は、ラフィアンターフマンクラブにとって第41期の募集であり、新規募集の最終年度です。
2026年10月31日時点では後期募集期間に当たり、募集は12月10日まで予定されています。
2026年度の募集馬は35頭
クラブ公式発表によると、2026年度の募集内容は次のとおりです。
- 募集頭数:35頭
- 牡馬:19頭
- 牝馬:16頭
- 募集口数:1頭100口
- 1頭当たりの募集価格:1,400万~1億円
- 募集期間:2026年7月2日~12月10日
募集馬の血統構成にも特徴があります。
6月24日付のクラブ代表のメッセージによると、2026年度はゴールドシップ産駒が12頭、ベンバトル産駒が8頭です。
そのほか、タイトルホルダーとダノンザキッドの産駒がそれぞれ2頭ずつ募集されています。
ジャスティファイ、イクイノックス、キズナ、エピファネイアなどの人気種牡馬の産駒もラインナップに含まれています。
特にゴールドシップ産駒は、ビッグレッドファームとの血統的なつながりも感じられる募集構成です。父馬の知名度だけでなく、母馬の成績や兄姉の実績、馬体、歩様、成長過程を総合的に確認したいところです。
2026年度の募集馬を選ぶ際のポイント
募集馬を比較するときは、次の5項目を確認することをおすすめします。
血統
父馬の競走成績だけでなく、母馬の競走成績や繁殖成績、母父の特徴を調べます。兄姉がいる場合は、その競走成績も参考になります。
馬体と成長
馬体のバランス、骨格、脚元、筋肉の付き方などを確認します。募集時点で大きく見える馬が必ずしも将来有望とは限らず、成長余地も考慮したいところです。
歩様と動画
歩様の滑らかさ、左右のバランス、四肢の運びなどを動画で確認します。写真だけでは把握しにくい特徴もあります。
預託予定厩舎
美浦・栗東の所属だけでなく、予定調教師の過去の管理実績や得意とする条件も比較材料になります。ただし、入厩予定先は変更される可能性があります。
募集価格と維持費
価格の高い馬を選ぶことが必ずしも合理的とは限りません。募集価格に加えて、デビューまでの維持費や長期的な支出も考慮します。
2026年度は、クラブ代表自身が過去最高と評するラインナップを用意したと説明しています。ただし、これは運営側の評価であり、各馬の将来の競走成績を保証するものではありません。
2026年度の募集スケジュール
2026年度の募集は前期・後期の2段階で実施されています。
| 区分 | 受付期間 | 主な受付方法 |
|---|---|---|
| 前期募集 | 7月2日~7月13日 | 新規会員は書類、既会員はWEBまたは書類 |
| 受付休止 | 7月14日~7月21日 | 受付停止 |
| 後期募集 | 7月22日~12月10日 | 残口のある馬を先着順で受付 |
ただし、前期募集で満口になった馬は後期募集の対象外です。希望する馬が残っているかどうかは、公式の募集馬ラインナップで確認する必要があります。
新規入会には既存会員の紹介が必要
2026年度の新規入会は、従来よりも条件が厳しくなっています。
5月1日付の公式発表で、クラブは既存会員からの紹介がある人に限って新規入会を受け付けると案内しました。
一般的な入会手続きは次の流れです。
1. 既存会員の紹介を受ける。
2. 公式サイトの入会書類請求ページから必要書類を請求する。
3. 本人確認書類、入会申込書、出資馬申込書を準備する。
4. 希望する募集馬を選び、必要書類を郵送する。
5. 出資が確定した場合、入会金や競走馬出資金などを支払う。
6. 支払い確認後、会員証と会員専用マイページの認証キーを受け取る。
新規入会者はWEB申し込みではなく書類による申し込みとなります。また、募集馬の希望順位を付けることはできません。
満口などの理由で出資が成立しなかった場合は、入会そのものが成立しない仕組みです。
2026年の後期募集では残口のある馬が先着順で受け付けられています。既存会員の紹介があっても、希望馬への出資が確約されるわけではありません。
募集終了後も既存会員の愛馬はどうなる?
新規募集終了と既存会員の出資馬の運用終了は、別の問題です。
2026年2月18日の公式発表では、各競走馬ファンドについて運用終了まで責任を持って管理する方針が示されました。
同年6月24日の代表メッセージでも、最後の募集馬を含め、全馬の運用終了には最短でも6~7年以上かかる見込みが示されています。
つまり、2026年度の募集が終わった後も、既存の出資馬の競走生活や引退精算などは続いていきます。
また、2026年度の募集ではマイレージが新たに付与されません。過去に獲得したマイルは原則として今回の募集で利用するよう案内されており、出資実績ポイントの付与も2026年6月分で終了しています。
【ラフィアンターフマンクラブ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ラフィアンターフマンクラブの入会金と月会費はいくらですか?
A1:公式案内では、入会金が10,000円(税込み)、月会費が1名につき月額3,000円(税込み)です。これとは別に競走馬出資金、保険料、維持費などが必要です。
Q2:2026年からでも新規入会できますか?
A2:2026年度募集では、既存会員からの紹介がある人に限り新規入会を受け付けています。後期募集は12月10日までの予定ですが、残口のある馬に限られます。
Q3:ラフィアンの2026年度募集馬は何頭ですか?
A3:35頭です。牡馬19頭、牝馬16頭で、すべて100口募集です。募集価格は1頭当たり1,400万~1億円となっています。
Q4:出資した馬が勝てば必ず利益が出ますか?
A4:いいえ。賞金から進上金、各種税金、クラブ手数料などが控除されます。さらに、競走馬出資金や維持費なども必要です。元本保証はなく、賞金を獲得しても総支出を回収できない場合があります。
Q5:出資した馬が故障した場合、保険金は受け取れますか?
A5:加入する保険は死亡保険です。重大な故障で競走能力を失っても、馬が生存している場合は原則として保険金の支払い対象になりません。
Q6:ラフィアンターフマンクラブは2026年に解散するのですか?
A6:2026年度を最後に新規募集を終了するという発表です。既存の競走馬ファンドについては、各馬の運用終了まで責任を持って管理する方針が示されています。募集終了と即時解散・全馬の運用終了は同じ意味ではありません。
Q7:ラフィアンの賞金はいつ振り込まれますか?
A7:通常の月次分配は、原則として出走月の翌月20日です。年次分配や引退精算分配は別のスケジュールで行われます。
まとめ:ラフィアンの最後の募集で後悔しないための判断基準
ラフィアンターフマンクラブは、1986年に始まった歴史を持ち、ビッグレッドファームとの関係やマイネル軍団の活躍によって競馬界に独自の存在感を築いてきた一口馬主クラブです。
マイネルキッツ、マイネルホウオウ、ユーバーレーベンなどのG1馬を輩出してきた実績は、長年にわたるクラブの歩みを象徴しています。一方で、過去の名馬の存在が、これから出資する馬の成功を約束するものではありません。
2026年は新規募集の最終年度という特別なタイミングです。募集馬35頭の血統や馬体、募集価格を比較できる一方、新規入会には既存会員の紹介が必要であり、募集終了後の新規出資機会も予定されていません。
出資を検討する際には、次の判断基準を大切にしたいところです。
- 競走馬の血統と馬体を総合的に評価できるか。
- 募集価格だけでなく、維持費や保険料を継続して負担できるか。
- 賞金が得られず、出資金を回収できない可能性を受け入れられるか。
- ビッグレッドファームとのつながりや牧場見学など、競馬を楽しむ体験にも価値を感じるか。
- 募集終了後も長期にわたる出資馬の運用や精算を理解しているか。
【プロの結論】ラフィアンを評価する際に大切なのは、単にG1馬を輩出した名門クラブという過去の実績だけを見ることではありません。生産・育成の背景、出資者に対するサービス、ファンドの契約構造、費用と分配の透明性を総合的に判断することです。
2026年度は、ラフィアンの約40年にわたる新規募集の歴史を締めくくる募集です。最後だからという理由だけで出資を急ぐのではなく、馬そのものの魅力と自分の資金計画を照らし合わせることが、後悔しない一口馬主選びにつながります。
なお、募集状況や費用、入会条件は変更される可能性があります。申し込み前には、クラブの最新の公式発表と募集規約を確認してください。
主な参考資料: ラフィアンターフマンクラブ公式サイト(2026年度募集概要・費用案内・会員規約・代表メッセージ・FAQ)、スポーツニッポン、日刊スポーツ、netkeiba、サラブレッド研究所。 (出典: ラフィアン ターフ マン クラブ(Yahoo!ニュース))