【所在地一覧】都道府県別の宿舎戸数と確認方法
国家公務員宿舎の所在地を調べる場合、全国の宿舎戸数を把握する方法と、個別の宿舎名・住所を調べる方法を分けると効率的です。
財務省の2025年版資料には、都道府県別の宿舎戸数が掲載されています。2024年9月1日現在の数字を見ると、東京都や北海道、神奈川県、埼玉県などに多くの宿舎が配置されています。
都道府県別の主な宿舎戸数
| 都道府県 | 宿舎戸数 | 全国に占める割合 |
|---|---|---|
| 東京都 | 24,933戸 | 15.6% |
| 北海道 | 15,790戸 | 9.9% |
| 神奈川県 | 8,946戸 | 5.6% |
| 埼玉県 | 8,067戸 | 5.0% |
| 千葉県 | 7,217戸 | 4.5% |
| 沖縄県 | 6,421戸 | 4.0% |
| 福岡県 | 6,211戸 | 3.9% |
| 大阪府 | 5,346戸 | 3.3% |
| 愛知県 | 5,246戸 | 3.3% |
| 宮城県 | 4,754戸 | 3.0% |
出典:財務省「令和7年度版 国有財産レポート」参考資料。2024年9月1日現在。都道府県別集計の合計は159,884戸で、在外公館分394戸は別途計上。
東京都は24,933戸で全国最多です。そのうち23区内は18,276戸となっており、東京都内の宿舎が23区に集中していることが分かります。
ただし、都道府県別の戸数には合同宿舎と省庁別宿舎の両方が含まれます。東京都にある宿舎がすべて財務省管理の合同宿舎という意味ではありません。
合同宿舎の所在地を調べる方法
合同宿舎の個別情報を探す場合は、物件の所在する地域を管轄する財務局の資料を確認するのが基本です。
確認先は、次の財務局・財務支局です。
- 北海道財務局:北海道
- 東北財務局:青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島
- 関東財務局:東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬・山梨・長野
- 北陸財務局:新潟・富山・石川・福井
- 東海財務局:愛知・岐阜・静岡・三重
- 近畿財務局:大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山
- 中国財務局:中国地方5県
- 四国財務局:四国4県
- 九州財務局:九州のうち福岡県を除く各県
- 福岡財務支局:福岡県
- 沖縄総合事務局財務部:沖縄県
各財務局では、国有財産の管理情報や活用可能な宿舎の情報などを掲載しています。
省庁別宿舎の所在地を調べる方法
防衛省や法務省などの省庁別宿舎は、それぞれの省庁が維持管理を担当します。そのため、合同宿舎と同じ窓口で全国の個別物件情報を確認できるとは限りません。
例えば、自衛官用宿舎であれば防衛省、刑務官用宿舎であれば法務省の関係部署が主な確認先になります。勤務する官署の人事・宿舎担当部署に問い合わせる方法もあります。
なお、財務局が公開する「活用可能な庁舎等及び宿舎」の物件一覧は、貸付けや使用許可などの要望を受け付けている物件を示すものです。全国の現存宿舎を網羅した一覧ではありません。
所在地を調べる際の使い分け
廃止決定宿舎の住所・名称
財務省の別紙1-1、5,046住宅の一覧
合同宿舎の地域情報
管轄する財務局・財務支局の公表資料
省庁別宿舎の情報
防衛省・法務省などの所管省庁
【国家公務員宿舎の削減計画】5.6万戸削減後の2026年の現状
国家公務員宿舎の削減は、2011年12月1日に公表された計画を起点として進められました。背景には、厳しい財政状況と、宿舎を職員の福利厚生ではなく、公務の円滑な遂行に必要な施設として整理する考え方がありました。
21.8万戸から16.3万戸への削減
当初の計画では、2009年9月時点で約21.8万戸あった国家公務員宿舎を、今後5年を目途に約16.3万戸まで削減する方針が示されました。
削減前の宿舎戸数
削減目標
約25.5%の削減
削減後の目標戸数
財務省は2017年5月26日の財政制度等審議会国有財産分科会で、削減計画の達成を報告しました。平成29年3月末時点の設置戸数は約16.3万戸、廃止宿舎の総数は5,244住宅でした。
廃止した宿舎の跡地売却などによる財源も生まれ、2017年の報告では約2,939億円が捻出されたとされています。2012年の個別検討時に示された約1,700億円という見込みとは、集計時点や実績の違いに注意が必要です。
削減後も宿舎が必要とされる理由
宿舎を減らせば、すべての地域で住居不足が解消されるわけではありません。国家公務員は全国各地への転勤があり、災害時には迅速に官署へ参集する必要もあるためです。
財務省の令和6年度調査では、全国の必要戸数は約15.7万戸と算定されています。宿舎が設置されている1,009市町村を分析したところ、供給不足地域は97市町村、供給過多地域は65市町村、需給均衡地域は847市町村でした。
特に供給不足が目立つ地域は次のとおりです。
- 東京23区:約3,864戸不足
- 仙台市:約327戸不足
- 静岡市:約263戸不足
- 熊本市:約261戸不足
- 那覇市:約231戸不足
この結果から分かるのは、全国一律の削減ではなく、勤務地や行政需要に応じた配置の見直しが必要になっていることです。
2026年は新設・集約・改修へ方針転換
2026年2月27日に開催された財政制度等審議会第67回国有財産分科会では、財務省理財局が「国家公務員宿舎の整備等」を提示しました。
資料では、既存宿舎の老朽化、東京23区内の住宅不足、独身・単身者用宿舎の不足、地方の広大な敷地の低利用、BCP用宿舎の不足などが課題として挙げられています。
対応策は単純な新築ではありません。長く使える建物は改修し、長期使用が難しい宿舎は集約化し、不足地域では民間からの借受けや新設を検討するという組み合わせです。
市ヶ谷住宅(東京都新宿区)
独身・単身用の財務省合同宿舎。防衛省の省庁別宿舎約300戸も同じ整備予定地に計画されています。竣工は2037年度末頃の予定です。
御幸町住宅(滋賀県大津市)
独身・単身用62戸、世帯用12戸を計画。竣工予定は2029年度末頃です。
このほか、小菅第2住宅、桐ヶ丘住宅、小鹿住宅、津島住宅、十条住宅、八王寺住宅などの整備計画も示されています。
ただし、2025年度に入札公告を実施した新規宿舎建設のPFI事業4件は、いずれも不落・不調となり、事業契約に至りませんでした。財務省は事業者との対話、発注期間の見直し、建設費の再検討などを通じて再発注を進める方針です。
2026年の宿舎行政は、削減一辺倒から、必要な場所に必要な規模の住宅を確保する段階に移っています。
【宿舎使用料・入居資格】国家公務員宿舎法で定められたルール
国家公務員宿舎は、民間の賃貸住宅とは異なる制度で運用されています。使用料の算定方法や入居条件、退去時期などは国家公務員宿舎法と同法施行令に定められています。
国家公務員宿舎の使用料はどう決まる?
有料宿舎の使用料は、全国一律の固定金額ではありません。国家公務員宿舎法第15条に基づき、建設費用の償却額、修繕費、地代、火災保険に相当する金額などを基礎として算定されます。
さらに、宿舎の延べ面積や所在地、建物の経過年数なども関係します。国家公務員宿舎法施行令第13条では、面積区分や所在地の区分に応じた基準使用料の算定方法が規定されています。
使用料は宿舎の維持管理機関が決定するため、同じ省庁の職員でも、入居する宿舎によって負担額が異なる場合があります。
2014年から2018年にかけて段階的に引き上げ
宿舎使用料については、2013年12月に見直し方針が公表され、2014年4月、2016年4月、2018年4月の3段階で引き上げが実施されました。
2012年の財務省資料では、宿舎に関する歳出が年間約550億円、当時の使用料収入が年間約280億円と試算されていました。この収支の差を縮小し、維持管理費などに見合う収入を確保することが見直しの背景です。
なお、2018年時点の使用料比較表は、当時の規格や地域に基づく歴史的な参考値です。2026年現在の個別宿舎の請求額として、そのまま使用することはできません。
2027年3月にはリノベーション宿舎の使用料算定を変更予定
2026年2月の財務省資料では、リノベーションを実施した宿舎と未実施の宿舎で使用料に差がない現行制度について、見直しが示されました。
改正省令は2027年3月1日の施行予定です。改修によって住戸の使用年数が延びることを使用料に反映させる仕組みが検討されています。
- スケルトン改修:経過年数の始期を建築後25年経過時点とみなす。
- 水回り設備の更新:経過年数の始期を建築後15年経過時点とみなす。
例えば、1985年築の宿舎を全面的にスケルトン改修した場合、使用料算定上の建築年月日を2010年とみなす考え方です。
これにより、リノベーションによって居住性が改善された住宅と、改修されていない住宅との使用料の公平性を図る狙いがあります。2026年時点では施行前の予定であり、実際の適用時期と個別金額は改正内容や宿舎の状況を確認する必要があります。
国家公務員宿舎の入居資格は5つの類型が基本
国家公務員宿舎は、すべての国家公務員が自由に申し込める住宅ではありません。2011年の削減計画では、入居が認められる職員を次の5類型に整理しています。
離島・山間へき地に勤務する職員
自然保護官事務所やダム管理所など、通勤可能な範囲に住居を確保しにくい職員。
転居を伴う転勤が頻繁にある職員
全国的な人事異動が多い司法関係職員や国税職員など。
官署の近接地に居住する必要がある職員
刑務官、自衛官など、職務上、勤務地近くに居住する必要がある職員。
緊急時の参集が必要な職員
災害、テロ、経済危機などの際、業務継続計画(BCP)に基づいて迅速に参集する職員。
深夜・早朝の勤務が必要な本府省職員
国会対応、法案作成、予算業務などに従事する職員。
財務省が公表した必要戸数の内訳は、離島・山間へき地勤務が約0.2万戸、転勤頻度の高い職員が約5.2万戸、官署近接地勤務が約1.3万戸、緊急参集要員が約8.3万戸、本府省の深夜・早朝勤務職員が約1.2万戸です。合計は約16.3万戸となっています。
これは職務上必要な宿舎の規模を算定したもので、個々の職員に入居権を自動的に与えるものではありません。実際の貸与は、所属する省庁や維持管理機関による判断・手続きに従います。
退職・転勤時の退去ルールにも注意
国家公務員宿舎法第18条では、職員でなくなった場合や、転任・配置換えなどで宿舎に住む資格を失った場合、原則として該当日から20日以内に宿舎を明け渡すことが定められています。
ただし、相当の理由があり、維持管理機関の承認を受けた場合には、無料宿舎は最長2か月、有料宿舎は最長6か月の範囲で明渡しを猶予できる規定があります。
一般的な民間賃貸住宅のように、退職後も当然に居住を続けられる制度ではありません。
【プロの結論】国家公務員宿舎一覧で本当に確認すべきポイント
国家公務員宿舎を調べる際、最も大切なのは「現在の宿舎」「廃止決定宿舎」「今後の整備予定」を別々の情報として扱うことです。
同じ宿舎名が資料に掲載されていても、資料の作成時期や目的によって意味が異なります。2012年の廃止決定一覧に掲載されている物件と、2026年に整備予定の宿舎を同じ現況リストとして扱うことはできません。
調査目的別に、確認すべき情報を整理すると次のようになります。
- 宿舎の現存状況を知りたい人: 国有財産レポートの設置戸数、地域別統計、各財務局・所管省庁の資料を確認する。
- 廃止対象を調べたい人: 財務省の5,046住宅の廃止決定一覧を確認する。
- 省庁ごとの規模を比較したい人: 国有財産レポートの省庁別宿舎戸数を確認する。
- 使用料を知りたい人: 国家公務員宿舎法、施行令、所属省庁の個別使用料資料を確認する。
- 2026年以降の新設予定を知りたい人: 財政制度等審議会の宿舎整備資料を確認する。
特に見落とされやすいのが、5.6万戸削減という数字だけを見て、国家公務員宿舎が全国的に不足していないと判断してしまうことです。実際には東京23区などの不足地域が存在し、独身・単身者向けや緊急参集用の宿舎も課題になっています。
2026年の政策資料が示す方向性は、必要性の低い宿舎の整理を続けながら、必要な地域には新たな住宅を整備し、既存施設は計画的に改修するというものです。削減と整備を同時に進めることが、今後の国家公務員宿舎行政を読み解く重要な視点です。
【国家公務員宿舎の一覧】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:国家公務員宿舎の全一覧は財務省で確認できますか?
A1:財務省では、廃止決定宿舎5,046住宅の個別一覧や、現存宿舎の戸数・都道府県別・省庁別統計などを公表しています。ただし、すべての現存宿舎の最新住所をまとめた単一の全国一覧とは異なります。合同宿舎は財務局、省庁別宿舎は各省庁の資料も確認してください。
Q2:国家公務員宿舎は2026年現在、何戸ありますか?
A2:2025年6月公表の財務省資料に掲載された最新の詳細な全国集計は160,278戸です。ただし、調査基準日は2024年9月1日です。2026年10月時点の実数と混同しないよう、調査年月日を併せて確認してください。
Q3:廃止決定された宿舎はすべて解体済みですか?
A3:いいえ。廃止決定は政策上の決定であり、退去、廃止手続き、解体、売却が完了したことを意味しません。個別の土地や建物の現状は、国有財産の売却情報や管轄財務局の資料で確認する必要があります。
Q4:一般の人でも国家公務員宿舎に入居できますか?
A4:原則として一般の人が居住目的で自由に入居することはできません。国家公務員宿舎法に基づき、職務上必要と認められる職員に貸与されます。一般向けの賃貸住宅とは制度が異なります。
Q5:合同宿舎と省庁別宿舎では、どちらが多いですか?
A5:省庁別宿舎の方が多く、2024年9月1日現在で91,166戸です。合同宿舎は69,112戸となっています。特に防衛省の省庁別宿舎が49,295戸と大きな割合を占めています。
まとめ:国家公務員宿舎一覧は廃止・現況・新設の3つで確認
2026年の国家公務員宿舎を理解するうえでは、財務省の公表資料を中心に、過去の削減実績と最新の整備方針を照合することが欠かせません。
2011年に始まった削減計画では、約21.8万戸から約16.3万戸への削減が目標とされ、約5.6万戸の削減を2016年度末までに達成しました。その後は、地域ごとの需給バランスや老朽化対策が重視され、2026年には新設・集約・改修を組み合わせた整備方針が具体化しています。
廃止決定宿舎の一覧を調べるなら財務省の5,046住宅の別紙1-1、現況を知るなら国有財産レポート、合同宿舎の個別情報を調べるなら管轄財務局、省庁別宿舎なら所管省庁という使い分けが基本です。
また、2027年3月にはリノベーション宿舎の使用料算定方法の変更も予定されています。宿舎の戸数だけでなく、維持管理や使用料の制度変更まで追うことで、国家公務員宿舎の今後の姿をより正確に把握できます。
2026年以降は、単なる削減戸数の比較ではなく、どの地域に、どのような職務上の理由で宿舎が必要なのかという視点が、国有財産の適正な管理を評価する重要な判断基準になります。 (出典: 国家 公務員 宿舎 一覧(Yahoo!ニュース))